そんな禁煙推進の風潮の中、自ら率先して立ち上がったのが音楽家のすぎやまこういちさん。氏は「喫煙文化研究会」を立ち上げ、同じく愛煙家の筒井康隆さん(小説家)、黒鉄ヒロシさん(漫画家)らと共に「文化」としてのタバコを盛り上げようとメッセージを発し続けている。社会的に発言力のある有名人が集まり、このような活動を行うことは肩身の狭い一般の愛煙家たちの強い後押しになることであろう。
おおかたのイメージ通り、芸能界や文芸界には多くの喫煙者がいる。奇しくも増税検討が発表された数日後に、くも膜下出血で入院したコラムニストの神足裕司さんは大のヘビースモーカーであり、出演しているラジオ番組でも「(タバコが)1000円になっても吸う!」と豪語していたことで知られる。復帰後の発言が待たれる有名人といえる。
声が「生命線」である歌手や俳優にも喫煙者は多い。既に禁煙をしているが和田アキ子さんは一時期、一日200本ものタバコを吸っており、声を潰すどころか肺炎に罹ってしまったこともあるという。
200本の和田には負けるが俳優の火野正平さんは一日100本のタバコを吸うという。銘柄はハイライトでタールが17mgと非常に重いタバコとして有名。普通の人であれば声が潰れるどころか、すぐに肺が痛くなる分量である。
こちらも禁煙済みであるがタレントの伊集院光さんもチェーンスモーカーとして有名であり、2つのラジオ局からオファーがあった際に「スタジオ内の喫煙が黙認されている」からという理由でTBSラジオを選んだとか…。
紛れもない喫煙者であるが、そのイメージの無い人も多い。松たか子さんはニュースステーションに出演した際に久米宏から「タバコ吸われるんですね?」と突然振られ、放送終了後に「もうこんな番組でたくない」と大騒ぎになったという伝説がある。
このように有名人の喫煙には豪快なエピソードがつきものであるが、中にはタバコがきっかけで命を落とす人も少なくない。「鉄人28号」「三国志」などで知られる漫画家の横山光輝氏は寝タバコによる事故死で69歳の生涯を閉じ、ビートたけしの師匠として深見千三郎氏も寝たばこでひっそりとこの世を去っている。
「頭脳労働にはタバコがいる」とはダウンタウン松本人志さんの言葉であるが、ストレスの多い芸能・文芸界には喫煙者が多いのは事実。ストレス発散とスマートに付き合うのも有名人の宿命か?