超一流の鞍上がその素質を少しずつひも解いてきた。フローテーションが不気味な輝きを放っている。
「道中、一度もけんかせず走れるか。この馬はそれにかかっている。スムーズな競馬さえできれば本当に強い馬なんだ」クラシックの常連、橋口厩舎の番頭・鎌田助手は「強い」という言葉により力点を置いた。
その思いを実証したのが、前走のスプリングSだった。道中は中団でジッとして、直線はパカッと開いたインを鋭く突いて伸びてきた。横山典騎手の見事な判断、そしてエスコートだった。
新馬→オープン特別を連勝したのが武豊騎手。そして、GII2着で権利取りに成功したのが横山典騎手。一度気分を損ねると大敗の心配もつきまとうが、流れに乗れば爆発する。2人の名手はそれを実証した。
そして今回、新たに手綱を握るのは3月からJRAの仲間入りを果たした内田騎手だ。「心強いジョッキーに乗ってもらえる」前任者の2人と同等、あるいはそれ以上の可能性をフローテーションから導き出せるかもしれない。
「新馬戦は豊君がまったく追えないまま勝ったように、潜在能力はかなり高い。叩き3走目で状態はさらに上向いているし、今年の混戦なら上位馬の一頭だと思う」と鎌田は期待している。
【最終追いVTR】マンボパートナー(3歳未勝利)と直線で追い比べ。相手がしぶとく、なかなか抜けなかったが、最後は根性を見せてクビ差先着。上々の動きだ。