重加算税を含めた追徴課税は、約8000万円とみられ、同法人がすでに修正申告し納税したという。
宗教法人が宗教活動で得た収入は非課税となるが、住職らに支払う「給与」については、宗教法人が所得税を源泉徴収して納める必要がある。国税局は「流用分は宗教活動と関係がない」として、流用分を給与と認定した。
関係者によると、元住職は事実関係を認めており、住職を務めていた12年までの約7年間に、信徒らから受け取った祈祷料や供養料などの収入のうち、約1億8000万円を流用。
元住職は申告の際に流用分を記載せず、現金が残っているように装って、税務署に決算書類を提出したとされる。
流用した金で、元住職がスイス製の高級腕時計の購入費や遊興費に充てていたことが、税務調査で発覚。腕時計は1個数百万円から1000万円を超えるものもあり、多い時で20個ほど所有していた。
元住職は父親の後を継ぎ、01年6月に住職に就任したが、今年1月に責任を取って辞任し、現在は同寺の職員。時計を処分して納税の一部に充て、不足分は同法人から借りて弁済したという。
(蔵元英二)