「前走は南部杯の疲れが抜け切らず、回復に手間取った。その分、追い切りを目いっぱいにできなかった。59キロの斤量もきつかったけど、状態がいまひとつだったのが大きかったね」と藤原助手は敗因を振り返った。
じり貧の成績に歯止めをかけ、もう一度世代交代の波を起こすためにも、ここは結果がほしい。問題だった体調は、徐々に上向きつつある。1週前追い切りは栗東Wコースで6F84秒0。併せたオープン馬のタスカータソルテに1/2馬身遅れたものの、走り自体には、いいころの迫力が戻ってきた。
「今回はしっかり肉体のケアに努めてきた。疲れはまったくない。あとは精神面のダメージがどうかだけ。前走が大敗だっただけに、気持ちがガクッとなっていないかが少し心配だね」と藤原英調教師は見通しを語った。
昨年のJCDはスタートから引っ掛かってしまい、2角で先頭に立つ誤算が響いた。直線半ばまで何とか見せ場はつくったが、最後は失速して8着に敗れた。古馬との経験の差が如実に響いた格好だ。
しかし今は、年をひとつ重ねたことで、どっしりと落ち着きが出た。昨年にはなかった経験も積んでの挑戦だ。
「今年に入って調教でもしっかり追えるようになった。昨年以上に充実してきただけに、今度はいい結果を出してくれると思う」と藤原助手は前向きに締めくくった。
いまだ主役として君臨する7歳馬ヴァーミリアン。王者が王者の強さを誇示している間に打倒してこそ、胸を張って世代交代をさけべる。