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次クル芸人 〜新時代に輝くホープたち〜 (Vol31 田中光<タナカダファミリア>)

 Twitterから火がつき、今年6月に出版されるや、とたんにベストセラーになった『サラリーマン山崎シゲル』。漫画家としては、田中光。しかし彼、ピン芸人としてタナカダファミリアの名も持つ。田中とタナカダ。その関係はいったい…?(伊藤雅奈子)

 −−『サラリーマン 山崎シゲル』はどのようにして誕生したんですか?
 
 「もともと僕、大阪のよしもとで芸人やってたんですけど、3年ぐらい前に東京に出てきて。そのとき組んでたトリオ(アボカドランドリ/現在は解散)のひとりが、ピースの又吉(直樹)さんと同級生で、一緒にごはんを食べさせていただいたとき、『特技とか趣味を伸ばしたほうがいいよ』って言われたんですね。今って、おもしろい人が山ほどいて、お笑い人口も増えちゃってるなか、“あいつといえば○○”というのがないとキツいなぁという話は、相方ともしていて。で、僕は大学時代から絵を描いていたので、ここかなぁと。最初はリハビリ的に、ブログとかTwitterに描いてました」

 −−結果的にそこから発信されて、出版した書籍もバカ売れ。

 「今年の4月ぐらいに、Twitterで女優の二階堂ふみさんがリツイートしてくれて、そっから拡散ってこんなふうに広がっていくんやって知りました。1日1万ずつフォロワー数が増えて、それが2週間続いたんです。出版しようという話は、“山崎シゲル”を描きはじめて、わりと早い段階から実はあって、徐々に広がっていったらいいよねって感じだったんですけど、発売される2週間前にTwitterでバンッと跳ねたんですね。そこは計算してなかったんで、いろいろ運が良かったんですよ」
 
−−ベストセラー漫画家になって、生活に変化はありましたか?

 「ぜんぜんないです(笑)。オーラ的なものも、いっさい持ってませんから。この前、島田秀平さんに手相を見ていただいて、『今年は基礎を磨くべきだ』と言われたんですよ。僕の基礎ってなんやろうと考えたとき、大喜利だなと。“山崎シゲル”も、漫画を使って大喜利してるんで、これからはそっちを磨こうかなって思ってます。漫画はね、おかげさまでそれなりの量を毎日描いてるんで、必然的に鍛えられるけど、大喜利は、自分でライブをやっていこうかなと」

 −−大喜利王の決定戦といえば、『ダイナマイト関西』。ちなみに、今年の戦績は?

 「(予選で)落ちちゃいました。めっちゃ悔しかったです。それきっかけで、こんな気持ちになったっていうのが大きいですね。“絶対、僕のほうがおもしろいのに”って気持ちは持ち続けときたいと思ったし、やっぱり基礎が大事だなとも思ったし。賞レースへの熱意って、正直ないんですよ。『M-1グランプリ』のとき、前のコンビでちょうど10年のラストチャンスでダメで、燃え尽きちゃったんです。今はピンなんで、『R-1ぐらんぷり』ってなるんでしょうけど、決勝に残れるネタができないとって感じですね」

 −−最後に、年内の目標を聞かせてください。

 「お世話になった人に、恩返しをできるようになれたら、ありがたいですね。あと、CDとか買いたいです(笑)。小さいですか? お金持ったことないんで、わからないんです、そういうの…」

【プロフィール】‘82年2月生まれ、京都府出身。グレープカンパニー所属。2014年からピン芸人に。Huluの注目コンテンツを紹介する『岩さんと、たもつ』が、日本テレビ系列(水曜20時54分〜)でレギュラー放映中。“サラリーマン山崎シゲル”シリーズは、森永製菓の商品とのオリジナル書き下ろし、『グランドジャンプ』(集英社)にて、連載中。

タナカダファミリア/田中光のTwitter https://twitter.com/avocadohikaru
「田中光のブログ タナカダファミリア」http://ameblo.jp/hikarulabo/

(次回は9月の最終週に更新)

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