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コラム【ドラマの見どころ!】 番外編:アニメ 『もしドラ』。マネジメントを学んで、リア充生活を楽しもう。

 今日の【ドラマの見どころ!】は、いつもと趣向を変えてアニメ『もしドラ』(NHK総合)。連休前と連休中に毎夜放送して、レギュラー放送として週一回深夜に放送するっていうNHKとしても熱のこもったこの企画。もちろん原作は昨年ベストセラーになった『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』って長い名前がついた小説よ。もともとのモデルは違う子らしいけどAKB48の前田さんが主演で映画化も決まったし、著者で放送作家の岩崎夏海さんはウハウハね。それにしてもドラッカーって、人の名前だったの?知らなかったわ。

 都立程久保高校二年の川島みなみ(声:日笠陽子)は、入院した親友・宮田夕紀(花澤香菜)の代わりに弱小野球部にマネージャーとして入部する。無謀にも野球部を甲子園に連れて行くと宣言するみなみだが、何をすれば良いのか見当もつかない。そんなみなみがマネージャーの入門書として手にした本は…。

 オーストリア出身の経営学者ピーター・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker、1909年〜2005年)が1974年に書いた『マネジメント』。35年以上も前に書かれた本なのに、21世紀になった今でも世界中で読まれ、その企業経営や組織論は多くのビジネスシーンにおいて実践されているのだそう。『もしドラ』はどうやら紅茶色の瞳をした女子高生のみなみちゃんが、この本を読んでそのエッセンスを高校野球に応用し、マネージャーとして野球部を引っ張っていくお話らしいわ。本物のドラッカーゆかりの人々が登場して解説してくれる関連番組もあったりして、わざわざ原作本を読むより毎晩見た方がてっとりばやいかも。萌え系の表紙につられて買ってはみたものの、挫折した人は必見よ。

 元野球少女だったみなみの野球をする姿が大好きだった親友・夕紀ちゃんの気になる病状と、彼女に励まされ「マネジメント」を元にマネージャーとしての奮闘が始まるみなみ。みなみは、さっそくドラッカーの言う通り、専門家(監督)の正確な意思を顧客(部員)たちに伝えてスムーズに試合ができるようにしたいと思ったが、キャッチャーがピッチャーにわざとフォアボールを出してるといちゃもんつけて反省会は大もめに。慌てたみなみがみんなに説明しようとすると、すっと監督が立ち上がって…。

 スポ根マンガの爽やかさと、知的な内容がうまく溶け合って、とっつきにくい経営学や組織論にすんなり入っていけるユニークなアニメ作品に完成。コミュニケーションの障害をとりはらい、ひとつの目的をみんなで果たすという「もしドラ」のマネジメント知識は、この先社会人として、いろいろな人の間に入って仕事をしたい若い人は知っておいて損は無いわ。この場合は高校野球だけど、子育てでもサークルでも一般的な生活の基本は人の輪。とにかく何にでも応用が利くみたいだからリア充希望の人はぜひ見ておいたら。(チャッピー)

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