「亜紗ちゃんが同伴に誘ってくれるのって珍しいよね。今月そんなにノルマきついの?(笑)」
「そんなんじゃありませんよ。ただ、同伴ってお仕事の一環なんだけど、感覚としては普通のデートと何も変わらないじゃないですか?だからお店で会うのとはまた違って楽しいんですよね」
「へえ〜、やっぱりキャバ嬢はうまいこと言うね」
「…お客さんからそうやって言われるとすごく傷つくんですけど」
「傷つく? どうして?」
「あのね、キャバ嬢だって中身は普通の女の子なんですよ? そりゃ、完璧に仕事モードで同伴することもあるけど…。でも、気になる相手だから一緒に食事に行きたいって思うこともあります」
「じゃあ、プライベートで彼氏とデートに行けばいいんじゃないの?」
「彼氏がいるのであればね。でも、キャバ嬢の生活って、どこからが仕事でどこまでがプライベートなのか線引きがしづらいし、そうなると一番出会えるのって必然的にお店なんです。…だから、お店に来たお客さんに恋に落ちるってことは自然なことだと思うんですよね」
「ふ〜ん、そうなんだ。…今亜紗ちゃんは仕事気分? デート気分?」
「仕事気分ならこんなに楽しそうにしてないでしょ(笑)」
「じゃあ、俺とデート気分なんだ?」
「そうですよ? でなきゃ、ノルマもないのに同伴に誘いませんもん。それに、今日こうして会えるのを本当にデートするかのように楽しみにしてたんですから」
夜の世界で生活してる子って、そこらの女の子より出会いが少ないこともあるんです。だからね、ただの同伴だって思わないであげてください。私みたいに、デートだと思ってドキドキしながら同伴する子だっているんですからね?
取材・構成/LISA
アパレル企業での販売・営業、ホステス、パーティーレセプタントを経て、会話術のノウハウをいちから学ぶ。その後、これまでの経験を活かすため、フリーランスへ転身。ファッションや恋愛心理に関する連載コラムをはじめ、エッセイや小説、メディア取材など幅広い分野で活動中。
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