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糸井放出でも、日本ハムにメリットあったオリックスとの大型トレード

 1月23日、日本ハム、オリックス両球団から発表された大型トレードは実にインパクトのあるものだった。同トレードでは日本ハムが糸井嘉男外野手(31)と、06年新人王の八木智哉投手(29)を放出。オリックスから木佐貫洋投手(32)、大引啓次内野手(28)、赤田将吾外野手(32)の3選手を獲得した。

 日本ハムは球界ナンバー1外野手といってもいい糸井を出しただけに、「オリックスが得した」との印象はぬぐえなかった。しかし、意外にも、このトレードは日本ハムにも大きなメリットがあったのだ。

 確かに糸井が抜けた穴は大きく、右翼は固定できそうになく、複数の選手で競うことになりそうだ。ただ、糸井がいなくなったことで、二刀流に挑むルーキーの大谷翔平(18)を右翼にチャレンジさせる土壌も整った。

 木佐貫の加入は手薄な先発陣の層を厚くし、栗山英樹監督(51)は早くも、木佐貫のローテーション入り確定を口にした。

 そして、オリックスの正遊撃手であった大引が加わったことで、懸案だった内野の整備ができそうだ。もともと、日本ハムには金子誠内野手(37)という正遊撃手がいる。しかし、ここ3年、金子は故障や年齢的な配慮から出場機会が減っていた。さらに、左大腿骨軟骨損傷のため、昨年11月12日に左ヒザの手術を受けており、無理はできない状態。

 そこで浮上したのが、金子を負担の少ない二塁にコンバートする案だ。遊撃に大引が入れば、金子を二塁に回すことが可能になる。日本ハムの二塁は田中賢介内野手(31)が守っていたが、海外FA権を行使してジャインツに移籍(マイナー契約)して、“空き家”となっている。

 昨年8月に田中が左腕を骨折し戦線離脱してからは、西川遥輝内野手(20)、杉谷拳士内野手(21)らが二塁を守ったが、帯に短したすきに長しで、ポジションを奪うには至らず。その二塁に金子が回れば、抜けた田中の穴は埋まる。

 元来、金子は01年まで二塁手で、98、99年にはゴールデングラブ賞、99年にはベストナインを受賞しており、二塁へのコンバートにはなんの不安もない。

 こうしてみれば、糸井放出の痛手はあったものの、補強ポイントをカバーできた今回の大型トレードは、意外に日本ハムにも大きなメリットを生むことになりそうだ。
(落合一郎)

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