そもそもキャバクラとクラブの違いとはいったい何だろうか? キャバクラのシステムが時間制なのに対して、クラブのそれは飲食料といったところか。つまり、1時間いくらなんていわれなくても、ソファに座り高い酒とおつまみ、それにホステスさんが隣に座って、1回何万円(お店の格によっては何十万円)にもなるのだ。
ITバブルに乗って会社経営を始めた田中光夫さん(仮名・40歳)。会社が銀座にあるため接待などで高級クラブを使用するようになって、すでに5年が経つという。
「取引先も大手企業が相手のため、そこの重役が多いことから落ち着いて飲めるクラブじゃないと話にならない。そんなこんなで5年も来ていると、結構痛い目に遭ってますね」
クラブを経営しているママは田中さんが連れて来る客層を見極めて適切に対応を取ってくれる。また働いている女性たちもしかり、決して田中さんの面子をなくすような行動は取らないらしい。
ところが「抱く」となると話は別。タダでさえ高給を貰っている面々相手にヴィトンのバッグじゃ、自分で買えるからと断られのがいいところ。
「実は、以前、一人の女にハマってね。名前は久実って言ったけど、結構骨が折れたね」
久実さんは都内のクラブを転々としていたベテラン。気の回し方は完璧で仕事で成功した大人たちでさえ手玉にとってしまうほど…。そこで田中さんは、ママにお願いしてできるだけ久実さんを自分の席に着かせてくれるようにしてもらった。
食事をすると言ってもホテルの高級レストラン。高級ブランド品の買い物なんかは当たり前で、ちょっと旅行なんて言えば、すぐにハワイが出てくる状況。田中さんは社長と言えどお金を無限に持っているわけではないから、何度も諦めようとしていた、という。
「ある日、田中さんは久実さんにクルマを譲ってくれるお客さんがいるって聞いたんですよ。そして、これが最後のチャンスと思って、僕なら買ってあげると言ったんですね。そこで一気に久実さんを引きつけられました」
買ったクルマはゴルフのカブリオレ。中古だったが、250万円。ここまでしてとうとうゴールインしたそうです。
「買ったクルマを取りに行ってそのまま茅ヶ崎の方までドライブしました。そこでお礼がしたいと言われてホテルへ。そっちの方もサービス満点でよかったけど、気が付いたら500万円以上になっていました」
その後、田中さんはクラブで朝まで飲んだ時などは、そのまま久実さんとホテルへ行くのもしばしば。ただ、久実さんの次のおねだりがマンションだったので、田中さんは2か月前に手を切ったという。銀座の高級クラブのママが言う。
「私たちは最高のサービスを心がけています。もちろん私生活でもね。それは心のサービスだから、すぐにカラダを許してしまうような女性は雇いません」
なるほど、500万円かかるわけだ。まあ、いずれ宝くじでも当たれば、チャレンジしてみてもいいが…。