まさかのブービー負けを喫した帝王賞はスタート直後に前の馬に乗っかかりそうになり、つまずいたところで脚を痛めるアクシデント。「その後は全身がガタガタだった」と上永吉厩務員が話すように、満身創痍のゴールだった。
それから3か月半。中間は緩めずに調整されながら、体調は徐々に回復。5日に船橋競馬場で行われた最終追い切りでは、単走で5F65秒2→50秒4→37秒6→12秒6(馬なり・稍重)を計時した。「フットワークに力強さが戻った」と手綱を取った佐藤太騎手がいえば、矢野義師も「十分に乗り込んだし、順調にきた。間隔があくのを気にする馬ではないし、条件もベスト。あとは前回のレースで嫌な思いをしたことが精神的に影響しないかどうかだけ」とゴーサインを出した。
1年に及ぶ蟻洞との闘病生活を経て昨年、復活したルース。強靭な精神力と根性で3つ目のタイトルをもぎ取る。