まずは砂糖たっぷりのソーダ類やフライドチキンやピザなどの、高カロリーの食品の過剰摂取。
最近でこそ夏にはボトルド・ウォーターを手にした人々を多く見かけるが、子供は毒々しい色のソーダをよく飲んでいるし、コーヒー党は大量の砂糖を入れて1日何杯も飲んでいる。アメリカで販売されている緑茶や豆乳も砂糖が入っていて妙な甘さがする。
ジャンクフードもすごい。アメリカ人のジャンクフード好きはビル・ブライソンの「ドーナッツをくれる郵便局と消え行くダイナー」の「ジャンクフード天国」の章を読むとよくわかる。まがいもののベーコン・ビッツ、モンスターマシュマロ入りのカウントチョクラ、ピーナッツバタークランチ、ピーチ味のグミ、ルートビアキャンディ、ホイップマシュマロのサンドウィッチスプレッドなどなど。私もついつい甘くてしょっぱいピーナッツバーに手を伸ばしてしまった。自戒しているのでリピートはしなかったがクセになる味だ。
徐々に伊藤園が販売している砂糖なしの緑茶を飲むニューヨーカーも見かけるようになったが、ハンバーガー屋で、隣り合わせた白人男性は緑茶とコーラを交互に飲んでいた。
食べる量の多さもハンパではない。マグドナルドは悪名高い「スーパーサイズ」の販売を2004年に中止しているが、和食レストランですら大食いのアメリカ人に合わせて量を多くしているので、日本女性には食べきれず、ドギーバッグ(テイクアウト用の容器)に入れて持ち帰れば一食分になるほど。
ハンバーガー屋の場合、特に高カロリーのフレンチフライの量が多くてびっくりする。全米3千人以上の幼児を対象にした食習慣調査によると、アメリカで15か月以上の幼児が摂る野菜のトップはフレンチフライなのだそうだ。
ホットドッグ、ソーセージ、ベーコン、ピザなどのジャンクフード中心の食習慣が2才までに習慣化され、1才から18か月の60%以上が毎日デザートやキャンディーを食べ、16%が塩分の強いスナック菓子を食べ、15か月以上の幼児の30%以上が糖分の多い果物ジュースを、約10%がソーダを毎日飲んでいるというのでは「太るな」と言う方が無理というもの。
カロリーの高い食べ物には「ファット・タックス(肥満税)」をかけようとか、低所得者に配られる
「フード・スタンプ(食料クーポン)」ではソーダは買えないようにしようとか政府も肥満問題には手を焼いている。
アメリカのユナイテッド航空には隣にサイズの大きい客が座って窮屈だという苦情が毎年数多く寄せられるといい、大手航空会社は1つの座席に入りきらない客には、2座席分のチケットを買うように求める方針を採用する方向にあるという。
かと思うとドレスのサイズがゼロ号(7号)とおぼしき超スリムなモデルも見かける。驚く事に日本女性の洋服の標準的なサイズはせいぜい7号から13号ぐらいな時に、アメリカでは0号から20号以上まである。人種もサイズも多様なのがニューヨークである。(セリー真坂)