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ベテラン小笠原の復調に隠された原巨人のアキレス腱

 ペナントレース中盤戦以降のキーマンは、小笠原道大内野手(38)である。
 左太股裏の肉離れで戦線を離脱していた小笠原がスタメン起用されたのは、17日の楽天戦。原辰徳監督(53)は小笠原が一軍練習に合流した15日時点では「即スタメン? 今、チームバランスがいい。それを崩すのは危険」と特別扱いしない旨を明かしていたが、小笠原をテストせざるを得ない事情も抱えていた。

 「小笠原が復活するかどうかは、夏場以降の先発ローテーションにも大きな影響がありますので…」
 巨人の内情に詳しい関係者の1人がそう言う。『内野手・小笠原』の復調が、どうして投手陣に影響するのか−−。その理由は外国人選手の一軍登録枠にある。「一軍登録4人まで」のルールに対し、ここまで巨人は主に「ホールトン、マシソンの2投手と、ボウカー、エドガーの2野手」体制で戦ってきた(支配下登録数には制限ナシ)。
 「故障で出遅れていたゴンザレスが二軍で実戦登板を開始しています。100点満点ではないが、今の調子なら一軍でヤレると思います」(同関係者)
 ゴンザレス復活の報告は当然、原監督にも届いている。長丁場のペナントレースを戦い抜くためには、先発投手陣がバテる『夏場』をどう凌ぐかが大きなポイントとなる。実績十分のゴンザレスの復調は大きなプラス材料だが、そうなると、巧く機能している前述の4人の外国人選手の誰か1人を二軍に降格させなければならない。

 この状況をライバル球団のスコアラーに分析してもらった。
 「先発のホールトンか、リリーバーのマシソンのいずれかを外せば簡単なんですが…。まず、マシソンは外せないでしょう。彼は当初、先発枠を争っていましたが、リリーバーに転向してからは好投しています。川口(和久)投手総合コーチの指導にも素直に耳を傾け、周囲の評判もいい。今季は久保(裕也)、越智(大祐)がいないので、『貴重な中継ぎ投手』です。ホールトンも去年ほどではないが、大崩れしないので、難しい選択になるでしょうね」
 ルール上、4人の外国人選手枠を「投手4人」、「野手4人」という偏った登録は出来ないことになっている。
 ここでクローズアップされたのが、小笠原の存在だ。小笠原がバットでも復調すれば、現一塁手のエドガーをいったん外し、ゴンザレスを昇格させられる。連戦、遠征が続く夏場の先発ローテーションにゴンザレスを加えて戦い、適当な時期を見計らって再びエドガーを呼び戻せばいい。つまり、小笠原が復活するかどうかで、ローテーションのやり繰りが変わってくるのである。

 「原監督は5月3日のプロ初先発で好投した笠原将生を再登録させる意向です(19日時点)。笠原を初先発以降使わなかったのは、交流戦による変則日程で先発投手枠が減ったためですが、ソフトバンクから久米勇紀をトレード補強したのは、リリーフ陣の頭数にも不安があるからでしょう。ゴンザレスを昇格させられなかったのは外国人選手枠の問題が解消されなかったからですよ」(前出・同)
 久米、立岡宗一郎内野手(22)を獲得したトレードの交換要員に、巨人はロメロを加えている。ロメロを出したということは、外国人選手の一軍登録枠に困っているからだろう。いかに、巨人の補強がチグハグだったかがここで露呈したわけだ。
 「ソフトバンクが立岡を出したのは驚きです。去年まで背番号『7』を託されていた将来の大砲候補なのに。伸び悩んでいたとはいえ、巨人はいい買い物をしました」(在阪球団関係者)
 立岡は“即戦力”ではないが、大田泰示とタイプが重なってくる。アンバランスな戦力状況を懸念する声を払拭するためにも、小笠原の復活は欠かせないようだ。

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