日本の出版やメディアがコネ社会といえども、これほどまでのデタラメがまかり通ってしまうには、なにか理由があるはずだ。
そのひとつとして挙げられるのは財務省陰謀論で、予算権限を握るばかりか、各種外郭団体やOBを通じて銀行やメディアを影で操る官僚が不都合な情報を隠蔽しつつ、国民の不安を煽って増税を推進している、そして財務省の権力を強化していると言うものだ。
ところが、日本経済破綻本を出し続けている経済学者には、いわゆるリベラルが多く、反核反原発、護憲、反アベノミクスといった反権力や反政権の立場を取りつつ、緩やかな(穏やかな)衰退や脱(反)成長と行った反資本主義社会的な姿勢も共通している。それらは「成長の限界」という世界観にもとづいており、それこそが陰謀のキーワードと指摘する超自然現象研究家も存在する。
なぜなら「成長の限界」とは、かの「ローマクラブ」が提唱し、有名な宇宙船地球号という概念に発展し、ボールディングの進化経済学にも強い影響を及ぼしたとされる研究で、かつては科学的根拠に基づく新たな終末論としても脚光を浴びていた。しかし、その後の技術発展や資源探査の促進などによって、研究の前提条件が覆ったばかりか、予測モデルについても学問的な検証に耐えるようなものではないとする研究者が現れ、現在では真面目に取り合う人々も少ない。
ただ、超自然現象研究家は別で、特に南オーストラリアのアン・ブレッシントン前上院議員がローマクラブとイルミナティ、そして宇宙人とのつながりを暴露したことから、彼らの背後にある陰謀を調査、監視し続けているのだ。
彼らによると、環境保護運動や反戦平和運動にはイルミナティのエージェントが紛れ込んでおり、無邪気な若者たちを洗脳しているという。しかも、洗脳には薬物を用いることが多く、アン・ブレッシントン前上院議員は反薬物活動を通じて宇宙人とイルミナティの陰謀を察知し、ローマクラブとのつながりを暴いたというのだ。
実際、アン・ブレッシントン前上院議員は反薬物活動で知られており、吸引器具などの販売禁止条例を提出してもいるのだが、さてさて真相はいかに。
(了)