少なくとも、その人物の発言を真に受ける人はいなくなってしまうだろう。
ところが、日本の経済学者にはそういう人物が「複数実在」し、さらに大学教授としてテレビや雑誌で経済を論じ、政府の審議会にも委員として参加しているのだ!
実際、日本の経済学者が書いてベストセラーになったタイトルをピックアップすると、少なくとも2009年以降だけでもグローバル恐慌や財政恐慌、財政破綻、国の借金などという言葉でおどろおどろしく表紙を飾った本がずらりとならぶ。そして、それらの予言はことごとく外れ、不況下ではあるが破綻には至らないまま現在に至っている。
なぜ、立派な教育を受けてキャリアを積み、学者としてメディアに登場する人々が、かくも安っぽくいかがわしい経済終末論で小金を稼ぐのか?
あるいは、ノストラダムスの大予言で懲りたにもかかわらず、なおも人々は胡散臭い終末論に飛びついてしまうのか?
もちろん、人間が抱えている自己肯定欲に基づく情報の取捨選択がベースにあり、例えば不安を抱えている人はその「不安を肯定する情報」を求めるため、もし多くの人々が社会に不安を感じていれば、その実体とは無関係に「権威者が不安を煽る情報」が受け入れられやすくなり、そういう情報がより多く流通することとなる。そして、権威者が不安を煽る情報が多く流通すれば、それによってさらに社会不安が増大し、よりそのような情報が求められる。やがて、不安肯定情報の真偽はどうでも良くなり、とにかく不安を肯定してくれる権威に依存する人すら出現する。
この心理を活用というか悪用しているのが終末論カルトで、不安情報で信者を取り込んで教祖へ依存させるまでがひとつの流れとなっているのだ。
では、日本の経済学者が実体経済の否定的材料を恣意的に取り上げ、社会不安を煽り続けるのもまた、そのようなカルト的手法なのだろうか?
あるいは、なんらかの陰謀が隠されているのだろうか?
それに対し、超常現象研究の立場から、陰謀が存在すると断言する事情通がいる。
はたして、その陰謀とはいかなるものであろうか?
(続く)