クラシック経験があるのはニュービギニングだけ。その皐月賞は15着でしたが、前残りの流れを最後方から追走では、末脚不発も致し方のないところ。むしろ、場数を踏んできたという観点からいえば、このメンバーでは一日の長があります。
しかし、少し気になるのはローテーション。皐月賞が体重を減らしたままの出走でしたし、中2週で輸送も続きますからさらに減る可能性も考えられます。ダービーの権利獲得へ向け、仕上げは入念かもしれませんが、まだ体が完成されていない3歳のこの時期だからこそ少し気掛かりな面も…。
そこで、狙いを定めたのは今、乗りに乗っている絶好調馬◎ゴールデンダリアです。
今年1月に中山でデビューしたフジキセキ産駒。その新馬戦は行き脚がつかず最後方からの競馬。道中は遊んで走っているようにも見え、まだ集中していない感じでしたが、4角11番手から一気に追い込みアタマ、クビ差の3着。上がり3F34秒8はもちろんメンバー最速で、追われてからのしっかりとした伸びが印象的でした。
東京にかわった2戦目での勝利はいわば順当といったところでしょうか。このときもスタートがうまく決められませんでしたが、馬群の中でも嫌気を差すことなくジッと我慢。ゴチャつく直線で外に出されるとグイグイと伸び、他馬をアッサリと2馬身突き放しました。直線の長いコースではさすがに味が出ますね。
しかも、伸び盛りの3歳馬らしく、身上の末脚は一戦ごとに鋭さを増しています。楽勝だった前走の山藤賞は後方2番手で折り合い、4角では大外を回って直線勝負。豪快な切れ味を発揮して、あっさり前を捕らえて見せました。このときにマークした上がり3Fは34秒3。最後には鞍上が手綱を抑える余裕があったほどです。
まだ若干、行きたがるようなところもありますが、なだめればすぐに折り合えるセンスのいい馬。何より、ここ4戦すべてで上がり3F34秒台をマークしているのは大きな魅力です。脚をタメれば最後は確実に大爆発!この東京コースは自分の庭同然の舞台といっても過言ではないでしょう。
中間にソエが出たとの情報もありますが、追い切りの動きを見れば状態の良さは一目瞭然。体を大きく使い、バネの利いた切れのあるフットワークはひと際目を引きます。 ちなみに、初勝利を挙げた東京で子ども扱いしたトーセンマーチは、先週の青葉賞2着でダービーの権利を獲得。それを物差しにしても、ここで気後れすることはありません。追い比べになれば絶対に負けない勝負根性の持ち主。名前の通り、さらに磨きのかかった末脚が府中で華麗に舞うことでしょう。