6月19日の本拠地横浜スタジアムでの楽天戦、勝てば勝率5割に届く試合だったが、7-1で完敗しベイスターズの2018年の交流戦は幕を閉じた。結果は8勝10敗の借金2。ラミレス監督は交流戦前に「ターゲットは5割かそれ以上」と話していたが、去年は達成出来たその目標を、残念ながら今年はあと一歩届かなかった。
戦績をブレイクダウンして見てみると、対戦成績は楽天に2勝1敗、日本ハムには3連勝と勝ち越しを果たした。逆に、苦手ソフトバンクには3連敗、西武、ロッテ、オリックス相手には全て1勝2敗、と負け越しを許した。また横浜スタジアムでは、6勝3敗ながら、ビジターで2勝7敗と大きく負け越してしまい、DH制のメリットとデメリットの影響をもろに喰らった印象である。
☆怪我に泣かされた打撃陣
交流戦での打率は.241と低迷。これはワースト2位の数字である。要因は何と言っても故障者続出による戦線離脱。セ・リーグ2冠で、リーグ戦から打線を引っ張って来たホセ・ロペスが、痛めていた右足のハムストリングスの状態が悪化し、6月3日登録抹消。7日にはシーズン途中からリードオフマンとして活躍していた、梶谷隆幸が腰痛で抹消。13日には7日の西武戦で2本のホームランを放ち、復調気配の漂っていたネフタリ・ソトが体調不良でこれまた抹消。15日のオリックス戦では、遂に日本の4番、筒香嘉智までが上半身の張りの為スタメンを外れる事態にまで陥った。普段馴染みのないパ・リーグファンからは「宮崎しか知らない」とまで言われた後半のスタメンでは、得点力不足も仕方が無いだろう。
☆踏ん張った投手陣
それでも大きく負け越す事が無かったのは、投手陣の踏ん張り。ルーキー東克樹、ジョー・ウィーランド、濱口遥大の3人はパ・リーグ相手にも安定した投球を見せ、今季フル回転の強力リリーフ陣も好調をキープ。ストッパー山崎康晃も安心感のあるピッチングを続けた。打線の援護が少ない中でも、しっかりと試合を作った功績は大きい。
☆全員野球で拾う勝ち星
印象的だったのは、以下の3試合。ひとつは5月31日の楽天戦。岸に抑えられていた打線だが、9回ツーアウトから筒香が起死回生のホームランで追いつくと、ストッパー松井から、山下幸輝がサヨナラヒットを放ったゲーム。2試合目は6月14日のロッテ戦。1-1で迎えた11回に桑原将志と高城俊人のヒットでチャンスを作り、大和の決勝タイムリーで勝利した試合。最後は6月16日のオリックス戦。0-0で迎えた延長10回、粘ってフォアボールで塁に出た大和を、神里和毅のスリーベースで返し、唯一のチャンスを見事にものにした試合だった。
敗戦は圧倒された試合が多かったが、勝利はディフェンスからリズムを作り、粘ってもぎ取った試合が印象に残った。これは最後まで諦めない姿勢が、形となった証拠。指揮官も「今のメンバーで考えれば、良く戦えた」と振り返り、借金2なら御の字と感じているようだ。
金曜日からは再びリーグ戦に戻る。経験を積んだ若手と、帰って来るレギュラー陣が揃った時、どのような化学反応を見せるのか。楽しみは尽きない。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘