集中力が低下して、仕事に対してもなんだかヤル気が起きない。もしかするとこうした状態は、単に暖かな春の陽気のせいだけではないかもしれません。
今回は、医師の小田切ヨシカズ先生に、集中力の仕組みとアップさせる方法などをお聞きしました。
■集中している時の脳の状態とは
「集中している時というのは、脳内ではドーパミンが分泌し、脳自体が興奮している状態にあります。ドーパミンは、興味があるものを見たり聞いたりした時に分泌されるホルモンで、意欲や気力を保つのに欠かせない脳内物質です。さらに、別名ヤル気ホルモンとも呼ばれるTRH(甲状腺刺激放出ホルモン)の分泌による作用で、集中力の向上が促されます。こうしたホルモンは、興味のないものに対して決して分泌しないわけではありません。何か作業に取り組めば必ずゴールが見えてきます。すると、そのゴールを目標にしてホルモンが分泌。ヤル気も湧いてきます。とにかく興味がなくても、まずは行動することが大事です」
■集中できない要因
「どうしても頭がボーッとしてしまう場合、原因として血糖値の低下が挙げられます。脳はブドウ糖を最大のエネルギー源としているため、血糖値が下がるとどうしても集中力も低下してしまいます。また、水分不足も集中力低下の要因になります。体内の水分量が低下すると血の巡りも悪くなり、酸素や栄養素が行き渡りにくくなるからです」
■集中力をアップさせるために必要なこと
「血糖値を保つためには、しっかりと食事を摂ることです。寝起きで朝食を抜いてしまったりすると、血糖値が下がったままの状態で仕事をすることになり、いつまでたってもヤル気が湧いてきません。そして、こまめに水分補給をすることも大事。血流を促すことで脳の活性化にも役立ちます。この場合の水分補給は、純粋な水が適しています。また、コーヒーに含まれているカフェインには、脳を覚醒させ集中力をアップさせる効果があるとされています。チョコレートの成分に含まれているテオブロミンという物質にも同じような効果が見込めるので、仕事の合間などに試してみるといいかもしれません」
ヤル気が湧いてこないからといって、いつまでもボーッとしているのは悪循環です。集中力は、体調管理などでだいぶ変わってきます。うまくコントロールして仕事をこなし、周りに差をつけましょう。
【取材協力】小田切ヨシカズ
湘南育ちのサーファー医師。ワークライフバランス重視。現在、横浜の内科クリニックに勤務中。