若い方の肌はやっぱりつるつる。シミもシワもありません。シミが年齢を感じさせる大きな要因となるのは間違いないでしょう。
では、シミは歳と重ねると必ずできてしまうものなのか。看護師の大木アンヌさんに、原因や対策などをお聞きしました。
■シミができるのは紫外線から細胞を守るため
「肌にシミができるのに、日焼けが大きな原因となることは多くの方がご存知かと思います。紫外線が皮膚に当たると、内側にある細胞が破壊されてしまう恐れがあります。それを防ぐために、皮膚の深部にあるメラノサイトがメラニンを生成。表皮に集まって黒い幕となり、細胞を守ります。いわゆるこれが、日焼けの状態です。通常の日焼けであれば、時間とともにメラニンが薄くなり消えていきますが、新陳代謝が停滞してしまうとメラニンが消えずに、そのまま黒く残ってしまいます。こうしてできるのがシミというわけです」
■乾燥や新陳代謝の低下も原因に
「シミの大きな原因となるのは紫外線ですが、そのほかにも数多く存在します。肌の乾燥がそのひとつ。乾燥によりコラーゲンが不足してくると肌の再生能力が低下し、メラニンが残りやすい状態となります。食生活の乱れも原因となります。油ものの摂取が増えたり、栄養のバランスの偏った食事をしていると、血行不良を招き新陳代謝の低下に繋がります。ですから肥満気味の方は注意が必要。睡眠不足の方も、新陳代謝が低下しやすいので気を付けたほうがいいでしょう。強いストレスを感じると活性酸素が増え、肌の老化を促進する恐れがあります。タバコによるニコチンも老化を早めてしまう可能性があり、シミの原因となりかねません」
■シミ対策には生活改善
「シミ対策としては、紫外線に当たらないことが一番ですが、生活する上でそうもいきません。そうなると、ケアが重要です。日焼け止めクリームを塗るという方法もありますが、まずはしっかり保湿すること。肌の状態を整えておけば十分な予防になります。あとは、食生活の改善や、睡眠をしっかり取ること。規則正しい生活をして体調を整えれば、新陳代謝が正常に保たれ、シミ予防に繋がります。栄養素でいうと、ビタミンCの摂取です。ビタミンCにはメラニンの生成を抑制する効果があり、美肌効果が期待できます。ですから柑橘系の果物などがいいですね。他にも、肌に良いと言われるコラーゲンや、ポリフェノールなどの栄養素を多く含むものもいいでしょう」
■原因の異なるシミ
「一般的にシミと言われるなかにもいくつか種類があり、原因が異なるものもあります。まず、そばかす。子供に多く見られるそばかすは、遺伝による影響が大きいと言われています。これは成長とともに消える場合が多いです。しかし、紫外線の影響を受けて大人になってからできる場合もあるので、注意が必要です。肝斑は、女性ホルモンの分泌が関係しています。顔に左右対称にでき、閉経とともに薄くなったり消えたりする特徴があります。太田母斑という、アザに近いものもあります。青色に褐色がかったような色で、シミよりももっと深い部分にできるため、通常のシミよりも治療は困難です」
シミはいつの間にか増えている場合があります。そして、できてしまったから仕方ないと諦めてしまうと、さらに増える要因となります。シミはホクロとは違って、セクシーなものとはならないので、できる限り予防したいものですね。
【取材協力】大木アンヌ
ルーマニア人ハーフの看護師。家庭や恋人同士で使える簡単な医療の知識を少しでも伝えていくため、ライターとしても活動中。