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次クル芸人 〜新時代に輝くホープたち〜 (Vol38 タイムボム)

 バッハの末裔という、スゴすぎる経歴。イケメンハーフで、華麗なる血族。いわゆる、超スーパーおぼっちゃまだ。夏にはパパになり、妻は小島よしおの元マネージャー。彼の名は、ニック。テレビ出演を重ねている日米漫才師。探れば、まだある!? (伊藤雅奈子)

 −−ニックさんの金持ち伝説が、スゴすぎます!

 高桑「いちばん最初に会ったとき、靴紐を結べなかったですから」
 ニック「お手伝いさんが、いつもやってくれてたからね」
 高桑「自転車も乗れないでしょ?」
 ニック「うん。いつも、送り迎えをしてもらってたから」
 高桑「僕が今着てるスーツも、ニックのお母さんに買ってもらったんですよ。クレジットカードをバンッ! て出してたんで、値段は知らないけど」
 ニック「10万(円)ぐら〜いっ?」
 高桑「この感覚がね、普通なんです(笑)」
 ニック「若手芸人はどうやって電気代払うかとかあるけど、そういうのはないね。バイトもやらないし、家賃もママ(の負担)だし」
 高桑「ちょっと前なんて、“俺、出すから”って、相方に3,000円ぐらいするとんかつ屋に連れて行ってもらったし。家族が、スゴいから」
 ニック「おじいさんが、ドイツからアメリカに来て保険会社を作って。パパがそれを増やしておっきい金にして、お医者さん。お母さんも元医者で、今は芸術家みたいな感じ。事務所ライブを観るために、しょっちゅう(日本に)来てるけど。日本語、わかんないのに」
 高桑「うらやましいなと思うけど。僕は夜勤のバイトして、バイト終わりでオーディションに行って、夜はライブがあって、またそのままバイトに行くみたいな毎日だから。あるとき、眠たそうな顔してた僕を見たニックが、“そんなんじゃ体が壊れちゃう。バイト代は俺が出すから、休め”って(笑)。で、それをニックが家族に話したら、お父さんが、“相方がそんなに大変なんだったら、毎月仕送り40万円送ってあげる”って。さすがにもらえないよって」

 −−そんな“伝説”だけが注目されてしまうのは、どうですか?

 高桑「すごい武器になってると思いますよ。強すぎるエピドードがあって、お金もあって。僕がどんなに作っても、こんなナチュラルなキャラには勝てないし、それはコンビを組んだときにわかってたので。ニックがひとりでテレビに出ることも、何とも思わないし」
 ニック「でも、僕は正しくない日本語ですべってる…。この人(高桑)のおかげでおもしろくしてもらってるし。あと最近、厚切りジェイソンが出てきたことで、落ち込んだ。単純に、嫉妬してます」
 高桑「厚切りジェイソンが初めてテレビに出たとき(※14年12月29日の『速報!有吉のお笑い大統領選挙2014』=テレビ朝日系)、何回も電話かかってきたから、“俺、もう終わった…”って」
 ニック「“お笑い大統領”観てから、俺、めっちゃがんばるようになったよ。日記をつけたり、すべらない話を書いたりするようになった」

 −−今後の夢を、聞かせてください。

 高桑「コンテストで決勝に残りたいです。『M-1』があるんならそこも、『THE MANZAI』でも、なんとか!」
 ニック「これはプライドの問題かもしれないけど、お金持ちとかでは、売れたくないです、正直言ったら。お金持ちのエピソードだけを言って、フォローがなかったら、イヤじゃない? エピソードのうえで笑いを取ることが大事だと思うので、今はおもしろい人として売れたい。漫才がおもしくなって、それで売れたい。前はそれができてなかったから、今はそれが目標です」

【プロフィール】ニック(左) '86年10月生まれ、米国カリフォルニア州出身。高桑翔汰 '91年5月生まれ、神奈川県出身。サンミュージック所属。2011年結成。

(次回は15年4月最終週に更新)

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