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キャンプ情報 千葉ロッテの「涌井残留が最大の補強」ってのは情けなくないか?

 千葉ロッテのキャンプ地・沖縄県石垣島では「想定外」が起き、その修正に追われていた。
 海外FA権を行使した涌井秀章(31)が米大リーグへの挑戦を断念し、ロッテ残留を決めた。エース残留はチームにもたらす効果は大きい。井口資仁新監督(43)も安堵していたはずだが、一部からは「想定外だった…」の声も聞かれた。
「涌井はメジャーリーグとの交渉は代理人に全てを任せていました。自主トレ先はロッテの本拠地球場・ZOZOマリン、ロッテ選手たちと一緒でした。今回の残留に関して、チームメイトには違和感はないと思います」(取材記者)
 例年以上に米FA市場の動きが鈍い理由だが、18年オフ、奇しくも、投打の超大物選手数人の複数年契約が同時に切れる。その超大物選手たちとの獲得交渉に備え、軍資金を貯め込んでおきたいとの考えも米球団側にはあるようだ。

 こうした米FA市場の動きはロッテ球団も察していたはず。涌井残留は念頭にあったと思われるが、想定外の声が出た理由は意外なところにあった。
「昨季の涌井は味方打線の援護に恵まれず、5勝11敗と成績も振るいませんでした。去年までの推定年俸は2億5000万円。残留となれば、前年の成績をもとに判断されます。涌井がダウン提示を受け入れるとは思わなかったので…」(関係者)
 涌井にもメンツはある。ロッテは水面下で涌井サイドに「残留の場合はダウン提示」の報告をしていたという。この水面下での動きを指して、こんな声も聞かれた。
「国内他球団と交渉しても構わないと、暗に言われたようなもの。でも、涌井のチーム愛が、球団側が考えていた以上に深かったようです。ダウン提示での残留もあっさり受け入れました。巨人、阪神、DeNAが涌井に接近したなんて情報もありましたが」(ベテラン記者)

 推定2億円で残留したという。
 どの球団もそうだと思うが、ロッテもコストダウンに努めている。ドライな見方をすれば、球団は涌井の5勝分(17年)は、昨季後半にローテーション入りした佐々木千隼、酒居知史の成長で補えると考えていた。また、入団テストという名目で、ソフトバンクを解雇された左腕、大隣憲司(33)を石垣島に呼んでいる。おそらく、獲得を前提とした入団テストだろう。
「昨秋のトライアウトでもっとも評価の高かった投手が大隣でした。『まだできる』と判断したチーム関係者も少なくありませんでしたが、チームの懐事情で声を掛けなかったようです。そのまま時間が経過し、大隣は現役続行のためなら、年俸はいくらでも構わないという気持ちちもなったはず。そこにロッテが声を掛けたというわけです」(前出・関係者)

 大隣に声を掛けたのは、涌井喪失を前提としていたからだ。ナンヤカンヤ言っても、涌井はシーズンを通してローテーションを守る力は持っている。試合序盤でノックアウトされたり、疲労でローテーションをいったん外れる投手が出ると、その分、他投手に余計な負担が行く。このダメージが投手陣全体に広まり、シーズン後半での息切れにもつながるのだ。涌井、大隣がいれば、ローテーションを守れる投手が「少なくとも2人確保できた」と考えるのだが、コストダウンを意識する球団は「チーム総年俸が狂った」と捉えるそうだ。これが、想定外だったというわけだ。
「涌井の残留を許したのは他投手がだらしないからです。2ケタ勝利の計算が立つのは、涌井だけ。石川が復活してくれたからともかく…」(前出・ベテラン記者)

 話は変わるが、ソフトバンクの孫正義オーナーは「3年12億円」で獲得した松坂大輔が全く活躍できなかったことを財界関係者に聞かれ、「12億円なら、誤差ですよ」と一笑に付したそうだ。スケールが違うようだ。

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