ネットで書籍などは販売するアマゾンでも多くのレビューがつくもほとんどは酷評する内容。「感情表現が少ないから失敗しているのでは」「深みのある言い回し・魅力的な世界観といったものが皆無」「命と愛がテーマ? なんだか全体的に軽すぎる」などと内容を冷静に分析するものから、「この作品が二千万円の賞を取り、さらに初版43万部も発行されるとは、なんとも不可解で理不尽な世界だ」「やっぱり芸能人本だという印象」「第5回ポプラ社小説大賞には1000人を超える応募者があったそうだが、彼らが一番かわいそうだ」というものまで。
「最初から開き直って、“実力不足ですが、小説を書いてみました。もちろん有名人だから出版社も使ってくれました”とやればよかった。そこから必死に努力して、作品を書きづつけていく方法もあったはず。それが賞を受賞しての発売となれば誰でも必要以上に期待します。有名人だから…との理由での発売は本人のプライドが許さなかったのかもしれないが、いくら最近は売れていないとはいえ、小説の世界だってそんなに甘いわけではない」(中堅の出版社社員)
ただ、売れていることは確かなようで、これをきっかけに長く不況の続く出版界の起爆剤になればとの意見も出ている。しかし、前出の出版社社員は首を横に振る。
「そりゃあ、ポプラ社はウハウハでしょう。しかし、これが起爆剤になんて考えるなんてバカじゃないかと思う。安易に利益を上げたいだけとしか思えない」とも。
第一作は売れるも酷評されるという奇妙な雰囲気になった。さて、注目の第2作目はどうなるか…。