あくまで調整の場との位置づけながら、試合ごとに順位表が更新され続けてもいるオープン戦。最下位、3位といった順位に関しては、その後のシーズンで苦しむという結果になる例も複数存在することから、しばしばメディアで話題になることも多い。
一方、これらの順位の中には、他にも意外な結果をもたらしている順位がある。それは、最下位に次ぐ順位である11位。普通ならばシーズンでも苦しい戦いを強いられそうなところだが、過去10年の該当チームの成績は必ずしもその限りではない。
過去10年間において、該当チームがシーズンBクラスに沈んだのは2011年(ロッテ/6位)、2012年(広島/4位)、2013年(オリックス/5位)、2016年(オリックス/6位)の4回。そのイメージとは裏腹に、“順当に”苦戦を強いられた例は半分以下となっている。
一方、2009年(中日/2位)、2010年(阪神/2位)、2014年(阪神/2位)、2015年(巨人/2位)は、いずれのチームも堂々のAクラス入りを果たしている。また、2014年の阪神は、クライマックスシリーズを勝ち抜き日本シリーズまで駒を進めた。
さらに、2017年(広島/1位)、2018年(広島/1位)に関しては、ご存知の通り、リーグ優勝を成し遂げてもいる。ここまで来ると「意外」という言葉よりは、「なぜ?」という言葉の方がよく当てはまりそうだ。
ちなみに、過去10年間の最下位チームはその全てがBクラスに沈んでおり、その内、2010年(横浜)、2011年(横浜)、2014年(ヤクルト)、2016年(中日)、2018年(阪神)はシーズンでもあえなく最下位に沈んでいる。
順位が1つ違うだけで、縁起のいい順位となっているオープン戦11位。かの森脇浩司氏(元オリックス監督)は自らの著書で「微差は大差」という言葉を用いているが、今回の内容に関しても同じようなことが言えるのかもしれない。
文 / 柴田雅人