しかし、2月上旬にフレグモーネ、そして中旬に創傷性角膜炎を発症。この予想外のアクシデントで予定していたフェブラリーS、ドバイ遠征を断念することになった。
「いろいろなことがあったけど、ここまで無難に調整できている。体は現在、510kg。大きく見えるけど、決して太くはない」
松田国師はアクシデントを乗り越えて迎える08年のスタートを前に、独特のタッチで愛馬を評し、納得の表情を浮かべた。
1週前追い切りでは、高松宮記念を直前に控え、戦闘モードに入っていたフサイチリシャール(古馬オープン)とDWコースで併せ馬を行い、馬なりで併入。6F77秒9の強烈な時計を叩き出した。
「昨年はまだ心身ともに完成途上だったけど、今は競走馬として完成してきた。だから、ケイコでもビシビシ攻めていけるんだ」
昨春、オークスを回避した時のようなひ弱さは影をひそめた。牡馬にもヒケを取らない筋骨隆々の馬体、松田国流の調整で、女王はさらに輝きを増し始めている。
「ドバイは断念したけど、今年は海外遠征に改めてチャンレンジしたいと思っているんだ。それに昨年、2着に敗れた有馬記念を獲りたいね。いろいろやりたいことがあるよ」
希望と期待を胸に膨らませた夢の08年がここからスタートする。