オリックス 3-2 DeNA(3回戦)
※オリックスの2勝1敗
▽6日 京セラドーム大阪 観衆 18,620人
オリックスが高卒3年目の榊原翼の好投と、この日、登録抹消から10日で再昇格したキャプテン福田周平の活躍で、実に7カードぶりのカード勝ち越しと、5月9日から11日(3連勝)以来の連勝をした。
「思ったより表情が抜かれてるんだなと思いました。下を向かず前を向かなきゃいけないですね。バラ(榊原)の表情はヤバイですけど(笑)」
試合前、再昇格した福田は囲み会見に応じて、ファームにいる時は「18時までには帰れるので」1軍の試合を全試合見ていたことを明かすと、テレビに映っているチームメイトの姿を見て感じたことを口にした。視聴者目線で試合を見たことで、キャプテンとして気がついた点があったようだ。
この日の先発は奇しくも榊原。試合前の時点でパ・リーグ防御率ランキング5位。防御率2点台はソフトバンクの大竹耕太郎と榊原のみ。榊原は4回にDeNA柴田竜拓に犠牲フライを打たれて一時は同点に追いつかれ、8安打3四球と度々ピンチを招くも、味方の守備などに助けられ、7回を104球、1失点で降板した。最後のバッター、ソトの打球が右手親指付近を直撃したが、大阪市内の病院を受診し、レントゲン、CT検査の結果、右手親指根元付近の打撲と診断され、本人は試合後、京セラドームに戻り帰宅している。その後、大事を取って登録抹消が発表された。
「ここまで打ちたいという欲が強すぎたので、結果を気にせず、自分のスイングをすることを心掛けたことがいい結果につながったと思います」
3回に吉田正尚のタイムリーで1点を先制したが、その後、無死満塁のチャンスに1点も入れられず、その直後の4回に同点に追いつかれ、嫌なムードが漂い始めた矢先のその裏、打線はDeNA先発の東克樹を攻めて、「結果を気にせず」打席に立った福田が勝ち越しタイムリーツーベースを放つと、DeNA大和の悪送球でさらに追加点。福田のタイムリーが流れを生んだと言っていいだろう。
「いい働きをしてくれた。バッティングで悩んでいたので、気持ちを切り替える意味でファームに行ってもらったけど、(最短の)10日間で上がってきてくれたのは良かった」
西村徳文監督は福田の復活劇をこのように高く評価した。福田は「チームが勝てたことがいちばんの喜びで、貢献できたことが良かった。勝ちに向かってチームの一人一人が役割をこなす。目の前の試合をコツコツと勝ちに繋げていけばいい」。初のヒーローインタビューは「嬉しかった」という。オリックスが交流戦で巻き返すために必要なピースが、また1人帰ってきた。
取材・文・写真 / どら増田