グラビア出身で、所属事務所の名前がイエローキャブ。イエローキャブとは米国人男性をホイホイ乗せるタクシーみたいな日本人女性というスラングにもとられ、潤んだ目と外人顔負けのスタイルを誇る佐藤は、事務所のイメージを代表するようなタレントとして注目を浴びる。当時恋愛報道がなかば仕事のひとつだった市川海老蔵の軽いデートの誘いをホンキの交際と受取り、一方的な片思いを押し通そうとした一連のエピソードはいかにもおばかなグラドルらしい。あれから何年か経ち、彼女はすっかり大人の女優に成長している。
佐藤は身勝手な海老蔵をスッパリあきらめ、ついでに他の男性関係も断ち切り、「自分を高める事」に努力してきた。女優としてドラマなどの仕事をこなすうちに「棒読み」だったセリフもグーンと上手くなり、表情も豊かになった。要するに、彼女は事あるごとに言ってきた「仕事が恋人です。」を実践して来たわけである。その甲斐あって、2007年公開の吉田大八監督の映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』でヨコハマ映画祭 主演女優賞を受賞。この作品が人気若手劇作家・本谷有希子による原作であった事から、その後野田秀樹やケラリーノ・サンドロヴィッチなど有名な演劇クリエーターの舞台に出演。今や映画、演劇、ドラマと業界で人気のセレブ女優の一人になった。ただのグラビアアイドルだった頃からは想像もつかないほどの活躍ぶりだ。
「失恋」がきっかけで飛躍したサトエリ。彼女と同じパターンで飛躍したアイドルがもうひとりいる。神田うのである。
かつてバラエティ・タレントだった神田うのが、当時交際中だったヤクルトの石井一久選手との仲を、野村沙知代監督夫人に「アイドルは石井の妻にふさわしくない。」などと言われ、結局は引き裂かれた結果に。その事に奮起し、その後のうのは得意だったクラシックバレエや、ファッション・ビジネスなど、アイドルだった自分をばかにしたサッチーを見返すように多方面の仕事に頑張りを見せた。その甲斐あってうのは、今や実業家とタレント両方で成功し、大金持ちと結婚した。派手な生活をしている現在のうのを嫌う人もいるが、誰にも反対されずに石井との関係が上手くいっていたら、今でも下品なアイドルのままだったかもしれないし、芸能人特有のつまらない付き合いに流されていたかもしれない。それを考えたらいまの神田うのはとても自分を高めている。そう考えると、うのやサトエリは、世間で言われているよりもまじめで頑張り屋なタイプだったのかもしれない。
過去のオトコの事を、何かにつけてあれこれ言われたんじゃたまったもんではないであろうが、その度に今の「成長ぶり」を見せ付ける事ができるサトエリ。実力は上がっても、気さくな人柄はそのまま。共演者やスタッフのウケも良く、まさに仕事は絶好調。この現象はしばらく続きそうだ。