◆京成杯=過去10年の傾向を見ると、前走が新馬、未勝利戦だった馬が連対馬20頭中5頭もいるように、“何でもあり”のレース。さすがに前走がダート戦だった馬の連対はなく、2007年のアルナスラインの3着が最高だが、ここは当コラムのタイトル通り、“虎穴に入らずんば虎子を得ず”。ハイローラーで勝負だ。
これまでの6戦はすべてダート戦だっただけに、芝は向かないのでは? という疑問が浮かんでくるが、答えはノーだ。「デビュー当初はソエが出ていたので、ダートを使っていた」と木原調教師。その脚元が完治したことによる路線変更となれば、当然、注意を払わなければならない。
師は「芝は未知数だけど、ダート馬の体つきではないし、こなせると思うよ」と自信をのぞかせる。それを裏付けるのが前走・もちの木賞だ。アドマイヤムーンの半弟アドマイヤコブラ、ポップロックの半妹カノンコードなど好メンバーがそろっていたが、メンバー最速の豪脚を披露してV。着差はクビながらまったく危なげない完勝劇で、芝ならもっと切れるのではと思わせるほど鋭い伸び脚だった。
前走後にフレグモーネを発症したものの、「最終追いはいい感じで伸びていたし、もう影響はないよ。初めての芝でパンパンの馬場だと馬が戸惑うかもしれないけど、今の中山はだいぶ時計がかかり出しているからね」。
普段は慎重な性格の指揮官からはめったに聞けない“脈あり”のコメントがバンバン飛び出した。
鞍上は通算100勝にあと5勝と迫ったスーパールーキー・三浦皇成。アッといわせるシーンがあっていい。