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元川悦子のサッカー魔法陣(17)

 チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナルとバルセロナ…。欧州チャンピオンズリーグ(CL)4強が出揃ったが、3季連続でイングランド勢が3枠を占めた。英国勢の強さは前評判通りだが、準々決勝は3チームとも苦しんだ。

 マンUはポルトと対戦したが、ホーム第1戦で守備の不安を露呈。2失点を喫し、第2戦は1-1のドローでも敗退というピンチに陥った。そこでエースの貫禄を示したのがC・ロナウド。36メートルのミドルシュートを決め、チームの窮地を救った。
 アーセナルも敵地での第1戦は終始ビジャレアルに押され、1-1に持ち込むのが精一杯。ロンドンでの第2戦も大苦戦必至と見られた。だが、ここ一番でベンゲル監督が積み上げた攻撃サッカーが爆発。若いウォルコットの先制弾を皮切りに3点を奪って、追いすがる相手を沈めた。

 チェルシーとリバプールの英国ダービーは歴史の残る壮絶な戦いとなった。初戦こそ敵地で3-1と快勝したチェルシーだったが、ホームの第2戦は予想外の展開に。前半からリバプールに猛攻を仕掛けられ、瞬く間に2失点。第1戦のリードが帳消しになった。意気消沈したチームにカツを入れたのが知将・ヒディンク監督。アネルカを投入して攻撃に厚みを持たせるなど、あくまで積極的姿勢を貫いたのだ。これで目が覚め、すさまじい反撃に出たチェルシーは最終的に4-4に持ち込み、4強入りを決めた。
 そんな英国勢に比べると、バルサの勝ち方は非常に安定していた。スペインでの第1戦はメッシら攻撃陣がバイエルンを寄せつけず、4-0で完勝。敵地での2戦目も無難に引き分け、危なげなく勝ち上がった。
 バルサの華麗なパスサッカーは健在。メッシ、エトー、アンリのFW陣も絶好調だ。今季はスペインリーグ、スペイン国王杯も優勝目前で、欧州CLも獲れれば3冠達成となる。だが、今後、いかにして英国勢の牙城を崩すのか。連動性ある攻めが出れば、3季ぶりの欧州王者も見えてくる。次の準決勝・チェルシー戦が最大の関門になりそうだ。

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