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ナイトワークのオンナたち第13回・キャバ嬢の同業者とは?

 12年前のキャバ嬢で、現在はキャバクラ研究家の菊池美佳子です。

 恋愛において、「何故か同じようなタイプの人ばかりから好かれる」ということはありませんか? 「俺を好きになってくれる女性は、貧乳が多い」「俺はメガネ女子からはモテるようだ」などの漠然とした傾向もあれば、「付き合うコはほとんどB型」「北海道出身者とは相性がいい」など、具体的な傾向を挙げる人もいます。

 これは、キャバ嬢にもあてはまることです。ヒトミ(20代)は、やたらホストからの指名が多いキャバ嬢でした。
 ヒトミの話題の前に、まず「ホストもキャバクラへ行くのか?」という点について。ホストなら、日常的に女性と接しているのだから、わざわざキャバクラに来る必要はないのでは? と思う人もいるかもしれませんね。確かにホストは、一般男性よりもはるかに多く女性と接する機会を持っています。ですが、それはあくまでも仕事として。おそらく、気苦労なども多いのでしょう。そう考えると、気を遣うことなく、女性とトークを楽しむのに、キャバクラは打ってつけの場所、ということになります。

 また、営業目的でキャバクラを訪れるホストも存在します。要するに、先行投資のようなものですね。まずは客として金を払い、自分を気に入ってもらう。そして、自分の店に来てもらうように誘う、というやり方です。

 ヒトミを指名するホストたちは、前者のタイプが圧倒的多数でした。営業目的ではなく、あくまでも1人の客として来店する者ばかりです。ヒトミが勤務する「A」というキャバクラに訪れるホストの9割は、ヒトミを指名しました。こんなにもホストにウケがいい理由は、いったい何なのでしょうか? 

 決定的な理由としては、とにかく美人である、という部分でしょう。ヒトミは、決して話術が特別に秀でているという類のキャバ嬢ではありませんでした。このコラムでも何度か、「容姿端麗でなくても、話術や営業努力で指名を得ているキャバ嬢が存在する」という話をご紹介させて頂きましたが、それとは真逆のタイプです。一般的には、努力タイプのキャバ嬢のほうが伝説になりやすいかもしれませんが、ヒトミのような容姿勝負のキャバ嬢が悪いということではありません。オトコなら、正直なところ、「美人と喋りたい!」という願望があっても不思議ではないでしょう。

 ホスト客が多いということで、ヒトミは他のキャバ嬢から「イケメンがお客で羨ましい!」と言われることもあるようです。しかし、本人いわく「むしろ気疲れすることもある」とのこと。確かに、同じ業種の人間であるホストをもてなすというのは、一般のお客様と接するよりも難しいのかもしれませんね。例えば、ラーメン屋とて、同業者が食べに来たら多かれ少なかれ緊張するでしょう。

 それにしても、美人のヒトミと、イケメン客が並んで座っている様子は、非常に絵になるなぁと、感心させられました。(キャバクラ研究家:菊池美佳子)

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