せっかくの1号艇。しかも元祖ドリーム男といわれた選手。存在をアピールしたい今村豊だが、前検は、弱気に終始してしまった。
「はっきりいって、インではきついよ」
エンジンの2連対率は38%、決して悪いことはない。しかし、現地の評価でも出アシ一本の素性という。外にかなりのプレッシャーを受けそうだ。
1番の理由は、ジカ外の2コースに松井繁が陣取るからだ。今年ずっと見てきたとおり、今回も実に余裕がある。
「プロペラはオーシャンの優勝ペラと新ペラ。人との比較はいいたくないけど、自分の中では雰囲気がよかった。すぐに格納、前検としたら合格のアシ」
これまたいつものごとく、取材陣を牽制しながらも、結論は「出ている」のニュアンス。おそらく同体の仕掛けでも、インより伸びる分、まくっても差しても1Mのカタチを自分有利にする。まず好位は外さないだろう。
対するは誰?浜野谷憲が好感触を得た。スタート特訓が活発だったし、練習後の本人の言葉も、それを裏付けるもの。
「行きアシ、起こしにターンのかかりもよかったね。このままでもレースできそう。ペラは1枚だけど、今節はこれで通せると思う。反応がいいもんね」
インでよく取りこぼす今年だが、それでいて獲得賞金は、SG優勝者の次につけている。トータルで見れば十分に好調だし、特に「減音エンジンではいいですね」と、この若松に対しても、それなりの自信を隠さない。ドリーム戦は5号艇、実はダービーVなど何度も大きなところを取っている得意コースなのだ。松井に限りなく肉薄するか。
そこにイン今村が粘り、エンジン上々の井口佳も絡む。こちらは「追い風もあったが、スタートが自分の勘よりかなり速かった。修正しないと」。これが成れば大駆け。そういうタイプだ。