板尾が壇蜜と話すだけの番組が、昨秋ひっそりはじまっていた。『板尾壇(談)』。地上波ではなく、テレビ埼玉という独立地方局での放送で、Kawaiian TVとの共同制作のためBSチャンネルで観ることもできる。
コンセプトは、雑誌を見て2人が思ったことをしゃべるだけ。毎月およそ2,000種類も出版される雑誌(※出版科学研究所調べ)のなかから、スタッフが適当にチョイスして、テーブルの上に置いておく。それを見ながら、ゲストといい加減に、いい塩梅で話し進めていく…というものだ。
事前打ち合わせは、なし。収録している気配も、なし。当然、台本もなし。オープニングのテロップで、「投げっぱなしの番組。おふたり。いい感じでよろしくお願いします。」と出ることから、スタッフが丸投げ状態であることがわかる。それでも番組が成立してしまうのは、板尾と壇蜜の間で育まれた信頼関係の成せる業だ。
2人は12年、壇蜜の初主演映画『私の奴隷になりなさい』で共演。板尾によって壇蜜がSMに開花していく主従関係を、文字どおり体当たりで表現した。壇蜜はのちに大ブレイク。今では互いが、タレントとして認めあっている。
ところが、4月のゲストでやってきたほんこんは、艶っぽすぎる壇蜜の免疫力が、さほどない。だから、こんな対話が生まれた。
ほんこん「かわいい顔してんな。おいくつ?」
壇蜜「37(歳)です」
ほんこん「結婚は?」
壇蜜「結婚できないんじゃないかと思ってます。ちょいちょい、抱かれてるんですけどね…」
ほんこん「うっ……。店やりーや。おっさん、行くで」
その後も、「自宅に連れこんでも、(性交渉が)終わると帰っちゃうんです」、「(不倫をしたら相手を)刺してしまいそう、自分のものにするために」と、壇蜜の赤裸々トークは終わらなかった。
『週刊新潮』で連載を抱えるだけあって、その言葉のセンス、選択は抜群。壇蜜という周波数は、今も人の脳裏を著しく刺激している。