史上最速100勝達成にリーチをかけながら、1月25日の中山5Rで2日間の騎乗停止処分を受け、記録更新が今週に持ち越しとなった三浦皇成騎手。だが、「いい勉強になりました」と前向きにとらえているあたりが、並の新人と違うところ。
「先週はテレビで競馬を見ていましたが、乗れないことが一番の反省ですね。みんなに迷惑をかけたし、頼まれていた馬が勝ったりしましたから…。これまでがうまくいきすぎていたので、自分を見つめ直すいい機会になりました」
売れっ子だけに、仕切り直しとなる今週は騎乗依頼が殺到。土、日2日間で18鞍に騎乗する予定だが、あくまでも自然体でいきたいという。
「意識はしていますが、記録更新は時がくればできることですから。勝ちたい気持ちが強くなりすぎたのが騎乗停止の原因。ボクが勝たせるのではなくて、勝てる馬で勝たせてもらうだけ。初心に戻って一から頑張るつもりです」
とはいえ、楽しみな馬は多い。注目のメーン・共同通信杯には「デビューの時から見ていて、1度乗ってみたいと思っていた」というショウナンアルディの依頼を受けた。キャリア2戦の1勝馬だが、前走の中京2歳Sでは後方から上がり3F34秒3の切れ味でクビ差2着に突っ込み、オープンでのメドは立っている。
昨4日の追い切り(ポリトラック)では、自らが手綱を取り、5F64秒7、ラスト1F11秒5(馬なり)をマーク。併走馬にあっさり3馬身先着した。
「若さはあるが、いいものを持っていますね。直線で抜け出してからもさらに伸びようとしていましたから。レースでも終い勝負になればいい競馬ができそう。まだもまれたことがないので、そこをうまく攻略したい」と意欲満々だった。
人は挫折を味わって、またひと回り大きくなるという。週末には新記録達成と重賞Vの二重の喜びが待っているかもしれない。