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背信投球の松坂に「捕手と代理人を代えろ!」の声

 今季2勝目を挙げた前回登板とは、まるで“別人”だった。レッドソックス・松坂大輔(29)が17日のヤンキース戦に登板し(現地時間)、4回3分の2を投げ、被安打9、失点7。勝敗こそ付かなかったが、初回にいきなり5点を失うなど散々な内容だった。前回のブルージェイズ戦(11日)で7回1失点と好投したのとは大違いだったが、関係者を「まるで別人」と思わせたのは投球内容だけではなかった。試合後、松坂は共同会見でこうコメントしている。
 「自分は球種が多いピッチャーだと思うが、使い方を間違えると、自分を苦しめることになる」
 日本人メディアが「この日の登板を振り返って」の質問をした際の回答である。松坂は大きな溜息を付き、少し『間』を置いてから小声で答えている。こんな弱々しい姿を見せられたのは初めてである。

 「出端をくじかれた感も受けました。ヤンキースの1番打者のジーターにいきなりセンター前に運ばれ、四球を挟んで5連打でしたから。米メディアも指摘していましたが、捕手のサインに首を振ることが多かった」
 現地特派員の1人は、この日の松坂の心象をそう語っていた。
 レッドソックスの捕手は、ヴィクター・マルティネス(31)だ。昨季7月末、インディアンズから移籍してきたが、ベテランのジェイソン・ヴァリテク(38)に代わってスタメンマスクを被っている。
 「マルティネスはバッターとしては一流です。パワー、選球眼、バットコントロールの全てにおいて定評があり、昨季、レッドソックス移籍後の打率は3割3分6厘。得点圏打率も3割を越えています」(現地特派員の1人)
 しかし、『捕手』としては一流ではない。盗塁阻止率は1割2分5厘。64回走られて、8回しかアウトにできなかったという。米球宴に2度選出されたこともあるが、それは打撃を買われてのこと。インディアンズ時代から一塁や指名打者で起用されることも多かったという。
 「2008年のサイ・ヤング賞投手のクリフ・リー(現マリナーズ)は、インディアンズ時代、絶対にマルティネスとバッテリーを組もうとしなかった。肩、リード面の拙さは以前から指摘されていた捕手なんです」(日本人メディアの1人)

 松坂の「(球種の)使い方を間違うと」発言は、マルティネスのリードを暗に批難していたようである。
 いずれにせよ、今一つ調子の上がらない松坂を“蘇生”させなければならない。その妙案として2つの進言が地元メディアから出されている。1つは松坂が登板するときは「ヴァリテクに任せたらどうか?」というもの。松坂はレッドソックス2年目の08年に18勝を挙げたが、それはヴァリテクのサポートが大きかったという。ヴァリテクは米審判のクセ、ストライクゾーンなどの傾向をまとめ、松坂に渡している。松坂も絶大な信頼を寄せており、レッドソックスの首脳陣も検討しているという。しかし、もう1つは実現しそうにない。
 「代理人を代えろ、と…」(同)
 「スコット・ボラス氏と手を切れ」というのだ。ボラス氏は、一部では「吸血鬼」とも称される『強引な交渉術』が批難されているが、善くも悪くも選手側に立った代理人である。しかし、こんな指摘も聞かれた。
 「調整法を巡った首脳陣との衝突ですよ。松坂は相当数の投げ込みをして身体を作っていくタイプですが、メジャーは投球練習数にも制限を加えています。松坂がメジャー式の調整に合わないのなら、そういう練習を認める契約内容に変更すべきだ、と。ボラス氏は自分の契約内容に自信を持っている人ので、それを改めるなんてことは、彼のプライドに関わる問題です」(前出・現地特派員)
 松坂クラスの高額年俸選手なら、代理人の引き受け手はたくさんいそうだが、レッドソックスとの契約は2012年まで残っている。つまり、代理人にすれば、移籍や再契約が暫くないため、松坂と組んでも“旨味”がない。従って、代理人変更は難しいというのが、関係者の一致した見方だ。

 「松坂とボラス氏の関係を懸念する声もあります。06年のレッドソックスとの契約に必要以上に時間が掛かったからです。でも、古巣西武の関係者、日本人メディアは、松坂の口から『ボラス批判』なんて聞いたこともありませんよ」(プロ野球解説者の1人)
 一部報道によれば、今回のヤンキース戦登板に向け、松坂は「首脳陣の眼を盗んで、それ相当数の投げ込みをしていた」ともあった。
 今季出遅れたのは背筋痛や首痛とされているが、「メジャー式の調整が合わず、右肩を痛めている」との情報も交錯しているだけに、調整方法は重要な見直しの項目となる。まずは、ベテランのヴァリテクが松坂を次回登板で勝利投手に導けるかどうかが大きな分岐点となりそうだ。

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