search
とじる
トップ > その他 > ひそかに“あの世”ブーム到来か!?

ひそかに“あの世”ブーム到来か!?

 出版不況と言われながら最近、「特殊ジャンル」は何故か売れているという出版業界。かつては「特定少数」として軽視されていた「特殊ジャンル」が、今や出版業界を支えていると言っても過言ではないという−−。

 では現在、出版業界をけん引しているという「特殊ジャンル」とは何なのか。出版事情に詳しい元・河出興産社長・清水浩氏は次の様に語る。

 「昨今、注目されているジャンルは趣味の分野と人文。人文に関してはスピリチュアル、趣味の分野ですと鉄道が売れています。どちらも十年前はコアなファンはおり部数は安定しておりましたが良くて2〜3万部程度。それが今では5〜10倍に跳ね上がっております」

 確かにその現象はメディアに於いても強く反映。現在、テレビ放送の約4割を占めているというバラエティ番組では鉄道、スピリチュアルに特化した企画を目にする機会が多いのは誰もが感じるところだ。

 そんな出版の人気項目で今回、ピックアップしたいのが「スピリチュアル」。近頃では「スピリチュアルといえば…」という出版社もある様で、精神世界にハマる読者にはブランドとなっているみたいだ。

 「スピリチュアル系出版社といえば、最近、ファンに支持されているのが『サンマーク出版』。『サンマーク〜』で発売するスピリチュアル本は必ず売れるというジンクスがあるのです」(前出・清水氏)

 実際、『サンマーク出版』で発売中の『もっと あの世に聞いたこの世の話』(雲黒斎著)は13年8月発売でたちまち増刷7刷りで5万部を突破。10年3月に発売された前作『あの世に聞いたこの世の話』(雲黒斎著)同様、ベストセラーになること必至だ。

 ベストセラーと言えば、こちらは『サンマーク出版』では無いが矢作直樹著の『人は死なない』(バジリコ出版)は11年9月に発売を開始してから累計で15万部をクリア。電車の広告にも掲げてありメガヒットぶりは衆人に確認出来よう。

 「この3冊…正確には2冊ですがタイプは真逆。『あの世に聞いたこの世の話』シリーズは作者が実際の体験をライトにまとめ、文体も喋り言葉風。一方の『人は死なない』は作者が医師という立場で考えに考え抜いた結論が“肉体は朽ちるが霊魂は生き続ける”という事。こちらはある種、学術的で内容は難解です」

 とは、スピリチュアル図書に詳しいフリー編集者・福島志野さんの感想だ。

 ライト本と重厚本が共にベストセラーという現象を踏まえるとあの世に関心を持つ老若男女がいかに多いかが理解出来る。ただ、これまで取り上げた3冊はあまりにも極端すぎるので、「これから読みたい」という男性読者には少し不向きかも知れない。

 そこで次は「その中間」的な役割、つまり「初心者」向けに持ってこいのヒット作を取り上げたい。

 「幸福の科学出版から発売されている『天才打者イチロー 4000本ヒットの秘密 プロフェッショナルの守護霊は語る』(大川隆法著)などはスピリチュアルに関心を持ったばかりの方には読みやすい。イチローの守護霊と対談するという突飛な内容ですが、ヒット量産にかけるこだわりから、国民栄誉賞を辞退した理由を語る場面などは、イチロー本人にインタビューをしているかのよう。その守護霊自身は、あの堺雅人もドラマで演じたこともある剣豪・塚原朴伝(ぼくでん)だったなど、他のイチロー本には絶対にない話が満載で、スピリチャルファンでなくても、気軽に楽しめる書籍ではないでしょうか」(前出・福島さん)

 「出版界の今」を支えている「特殊ジャンル」。特にスピリチュアル系の図書は徐々にではあるが確実に部数増の傾向にある。読書の秋−−上記4冊は目が離せないところだ。

※イチロー本は紀伊國屋書店新宿本店9月第3週、人文部門1位

関連記事

関連画像

もっと見る


その他→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

その他→

もっと見る→

注目タグ