前走のラベンダー賞では馬場入りの際にテンションが上がって鞍上を振り払うような仕草を幾度も見せた。落ち着きをなくしたベルシャルルを見て、山田助手は惨敗を覚悟したという。
「正直、レース前にあきらめた。イレ込みすぎてもうダメかなって。その状況で本当によく走ってくれた」
すでにレース前にかなりの体力を消耗。並の馬なら確かにジ・エンドとなるところだった。しかし、並外れたスピードでハナを奪うとそのまま直線でも粘りに粘った。まさに底知れぬ体力、ズバ抜けた能力を証明する2着となった。
「力はあるのであとはテンションの高さをどう抑えるか。今度は馬場入場からゲート入りまで僕が付きっきりで一緒にいるつもり。いろいろと工夫してみる」
課題のイレ込みへの対策もできあがりつつある。あとは図抜けたパワー、そしてスピードをレースへと向けるだけ。自分との戦いを制すれば、簡単に頂点へと立てるはずだ。