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菊花賞追い切り リーチザクラウン ラスト1冠へ万全

 ダービー馬ロジユニヴァース不在の「第70回菊花賞」(JpnI、京都芝3000メートル、25日)。春は、そのロジとともに3強を形成したアンライバルド&リーチザクラウンが22日、ラスト1冠へ向け、気迫のこもった最終調整を行った。神戸新聞杯では新星イコピコの末脚に屈した両馬だが、あくまでも本番はここ。本気で挑む今回、新旧交代は許さない。

 ちょうど1年前の新馬戦で夢の一歩を踏み出した。初戦はアンライバルドの2着に敗れたものの、リーチザクラウンは2戦目の未勝利戦を2秒1差で大勝、続く500万特別もぶっこ抜き、クラシック候補としてスポットライトを浴びた。
 しかし、気性面での幼さがその並外れた能力に歯止めをかけた。クラシック第1弾の皐月賞では激しいイレ込みで13着に大敗した。
 「ダービーの時にパドックから馬場に入る際、先入れするようにした。それで落ち着きが出てくるようになった」。橋口調教師の策が功を奏してダービー、そして前走の神戸新聞杯ではともに2着。レースでも「気分良く行かせる」ことに徹した結果、この馬らしい走りを取り戻した。
 「オレ自身、皐月賞とは相性が良くないけど、ダービー、そして菊花賞で成績がいつも良くなってくる。特に菊はバッチリなんや」

 その菊花賞は1996年のダンスインザダーク、2003年のザッツザプレンティで2度の美酒を味わっている。特にダンスの場合は師が生涯の目標とするダービー制覇にあと一歩のところまで迫った。その悔しさを菊花賞で晴らした形となったが、今年のリーチもダービーで2着…まさに状況は当時と同じだ。
 秋初戦の前走は18キロ減の498キロ。デビュー時は520キロあった馬体が初めて500キロを切ってしまった。だが、それとは裏腹に回復は早かった。これも心身ともにタフになってきた証拠だろう。2週後の11日に坂路で初時計をマークすると、1週前には併せ馬で追われる意欲的なケイコを積んできた。
 指揮官もラスト1冠に向けてやる気をみなぎらせる。「脚質的に阪神よりも京都の方が向いている。あとは自分のリズムで走れば必ずチャンスはある」。ダービーの悔しさは菊の舞台で晴らす。ここはダンスの再来だ。

 【最終追いVTR】武豊騎手を背に坂路へ。ツルマルノホシと併せ馬で追われ、800メートル51秒7→37秒6→12秒0の好時計をマークした。ラスト2F付近で仕掛けられるとスッと反応し、瞬時に僚馬を置き去りにする圧巻のパフォーマンス。最後は3馬身差をつけ、絶好の仕上がりをアピールした。

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