今週は北海道新ひだか町静内で、オータムセールが行われた。最終日となる20日はアラブ1歳が4頭上場された。おそらく、今年でアラブ市場も終えんを迎えるだろう。
日本の競馬において、アングロアラブが支えてきた功績は非常に大きいが、若い競馬ファンの中にはアラブの存在すら知らないファンもいることだろう。
個人的な話になるが、サラブレッドと芝で戦い、上位争いを演じたアキヒロホマレが大好きだった。また、友人の祖父の馬モッカンセンプーが銀杯を制した当時のテレホンカードを今でも宝物にしている。
しかし、95年、JRAからアラブ競走は姿を消した。そしてこの年のクラシック戦線では、ジェニュインやタヤスツヨシなど、サンデーサイレンスの初年度産駒が上位をにぎわせた。
今年はそのSS産駒がクラシックに挑戦する最後の年となった。先週の秋華賞まで、いまだ無冠のまま…。数々の記録を塗りかえた名馬の血がこのままで終わるはずはない。
春のクラシック戦線で話題を集めていたフサイチジャンク。前走のセントライト記念で敗れ、その存在はより一層かすんでしまった印象だ。しかし、前走は4コーナーで落馬のアオりをモロに受けながらも、そこから0秒4差の4着に差を詰めている。
ジャンクはエンジンのかかりが遅く、直線に急な上り坂がある中山は合わない。その点、下りから平坦へ導かれる京都こそジャンクにとって最も適したコースと言えるだろう。時代は始まりがあると同時に終わりがくるもの。ただ、最後のクラシックで偉大なるSSの血を軽視はできない。メイショウサムソンの3冠挑戦失敗があるとすれば、当歳から注目を集めたジャンクがSSの集大成となったときだ。