そこでちょっと調べて見ました。江戸時代の結婚離婚事情。
一般的なイメージだと、江戸時代というのは、男尊女卑の時代であり、一度結婚したら、自由に離婚はできなかったと思っている人も多いがさにあらず。江戸時代や明治初期は、むしろいまより離婚率が高かったらしいんです。当然、再婚率も高かったそうな。それも、女性から離婚を言い出すことの方が多かったという説もあるくらいです。
・なぜか?
江戸時代の風習では、離婚するときに結納金とかを、妻か妻の実家に戻さないといけなかったのです。すると、お金のない男はなかなか言い出せない。
当時の結婚は、いま以上に家族や親族同士のつながりが深かったわけですから、離婚は、親族を巻き込むということで、そう簡単ではなかったらしいんですけど、結局、離婚率は非常に高かった。
・どれくらい高かったか?
現在での離婚は、3組に1組あるんですが、江戸・明治初期は、半数近くあったといわれています。
日本で離婚率が低くなったのには、理由があって、明治以降に、近代思想やキリスト教思想が入ってから。
明治以降になると、どんどんと自営業者が減ってきて、サラリーマンが増えてきます。そのサラリーマンも昭和初期や戦後になると、終身雇用制になってくる。同時に主婦は専業主婦が増えてくる。
これらは、国家主義の指導でもあったらしいんですが、専業主婦が増えてくるということは、主婦業が【永久就職】となり、【終身雇用結婚】となってくるようになります。サラリーマン家庭では、妻は専業主婦が多くなりますが、農業や漁業、一般の商店とかは、みんな家族で仕事をしていて共働きです。
つまり江戸時代や明治初期までは現代のサラリーマンのような勤め人は多くなかったわけで、貨幣経済も発達していないし、家庭内経済では、主婦も主人も経済的には五分五分ですから、離婚しやすかったと考えられます。
それが明治以降、サラリーマンの増加とともに、専業主婦、永久結婚によって、主婦は経済力を旦那に握られてしまうことになったわけです。
そして戦後になると、その傾向がますます強くなってくるんですが、70年代あたりから、女性たちも経済的に自立できるようになってきて、また、また離婚率が増えてきたと。
さてさて結婚が【永久就職】であった時代と、【離婚率】が高い時代。 はたしてどちらが住みいい時代なんでしょうね。
巨椋修(おぐらおさむ)(山口敏太郎事務所)