綾野は昨年10月期の「すべてがFになる」(フジテレビ)で、武井咲と“W主演”したことはあるが、全国ネットの連ドラで単独主演するのは意外にも、今回が初めて。
「コウノドリ」の原作は12年8月から「モーニング」(講談社)で連載されている同名漫画で、作者は鈴ノ木ユウ氏。ドラマの脚本は、NHK朝ドラ「ゲゲゲの女房」(松下奈緒主演)、NHK大河ドラマ「八重の桜」(綾瀬はるか主演)などを手掛けた山本むつみ氏。演出は映画「ビリギャル」(有村架純主演)で大ヒットを飛ばした土井裕泰監督で、最強の布陣で臨む。
綾野が演じる主人公・鴻鳥(こうのとり)サクラは、産婦人科医でピアニスト。生まれてすぐ母を亡くし、乳児院と児童養護施設で育ったサクラは愛情深い産科医であり、「BABY」の名で、感情のすべてをピアノにぶつけ、情熱的な演奏をする謎多き天才ピアニストでもある。そんな二つの顔を持つミステリアスなサクラを綾野がどう演じるのかが見どころとなる。
ヒロインには、本業の女優のみならず、バラエティ、MC、ラジオのパーソナリティなど多彩な才能を発揮し、人気急上昇中の松岡茉優が起用された。松岡はサクラの下で働く新米産科医・下屋加江役。
そして、今や数多くのドラマ、映画に引っ張りだこの吉田羊がベテラン助産師役で出演し、ガッチリ脇を固める。他の共演者は、坂口健太郎、平山祐介、清野菜名、豊本明長(東京03)、浅野和之、江口のりこ、山口紗弥加、星野源、大森南朋ら。
主演となると、問われるのは、やはり「数字が獲れるかどうか」だ。「すべてがFになる」は平均視聴率が1ケタ台(数字は以下、すべて関東地区)に終わったが、“W主演”ということで、さほど、綾野の責任を問う声はなかった。だが、単独主演となると、そうはいかない。同ドラマは綾野の真価が問われる作品になりそうだ。
TBSにとっても、金曜午後10時のドラマ枠は、1月期の「ウロボロス〜この愛こそ、正義。」(生田斗真主演)こそ、平均10.4%とまずまずだったが、4月期の「アルジャーノンに花束を」(山下智久主演)は平均8.6%にとどまった。現在放送中の「表参道高校合唱部!」(芳根京子主演)は5〜6%台をウロウロしており、平均1ケタ台は濃厚な情勢。さすがに、3クール連続で1ケタ台は避けたいところで、「コウノドリ」への期待は高い。
(坂本太郎)