1月期の「銭の戦争」(草なぎ剛主演)は、全話平均13.4%(数字は以下、すべて関東地区)をマークし、同枠史上最高の視聴率を記録したものの、その後、惨たんたる状況が待ち受けていた。
4月期の「戦う!書店ガール」(渡辺麻友&稲森いずみW主演)は全話平均4.8%で、5%も取れないありさまで、第9話で打ち切りとなってしまった。
放送前に映画化が決まった7月期の「HEAT」(AKIRA主演)は初回こそ、6.6%だったが、第2話以降は4週連続5%にも届かず。このままいけば、「戦う!書店ガール」をすら下回る可能性もある。
「HEAT」が全話平均で5%に達しなければ、2作連続となり、制作する関テレ、フジにとっては由々しき問題だ。
10月期はなんとか巻き返しを図りたいところで、その大役を担うのが松坂桃李と木村文乃のコンビだ。同期に放送されるのは「サイレーン(仮題)」で、原作は13〜15年に「モーニング」(講談社)で連載された同名漫画(山崎紗也夏・作)。
ドラマの舞台となるのは、警視庁機動捜査隊(通称キソウ)で、主人公の里見偲(さとみ・しのぶ=松坂)と、ヒロインの女刑事・猪熊夕貴(木村)は仕事上ではコンビであり、実は職場では内緒にしている恋人同士。
そこに登場するのが謎の美女・橘カラ。カラは次々と起きる猟奇殺人の現場に必ず現れ、里見はその存在が気になっていく。里見は事件の真相とカラの正体を突き止めていくというクライム・ラブサスペンス。
現在、映画界から引っ張りだこの松坂は、11年10月期の「怪盗ロワイヤル」(TBS)以来の連ドラ主演となり、ゴールデン・プライム帯では初の主演。
ヒロインの木村は1月期の同枠「銭の戦争」で、主役の草なぎの元恋人役を好演。4月期には「マザー・ゲーム〜彼女たちの階級〜」(TBS)で連ドラ初主演。8月16日に放送開始するWOWOWドラマ「石の繭」でも主演を務めるなど、今が旬の女優だ。
さすがに3作連続でコケるわけにもいかないだけに、10月期の「サイレーン(仮題)」は関テレ、フジにとっては勝負のドラマとなる。
(坂本太郎)