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ヤクザが警告「死人が出るぞ!」 新国立巨人球場を巡る裏抗争(1)

 全チームが貯金ゼロという6月23日の“セ界異変”は、その後さらに激化。7月2日には、それまで5位、6位争いを展開していたヤクルトが4連勝で勝率を5割に戻し、貯金ゼロながら4月29日以来となる首位に躍り出た。
 この突然のツバメ軍団の奮起は、〈巨人の本拠地移転〉報道が背景にあるという。在京スポーツ紙デスクが解説する。
 「東京五輪のメーン会場となる新国立競技場の総工費が当初の計画から大幅に膨らんだことで、政府筋は巨人軍の本拠地を新国立に移して帳尻を合わせる仰天プランを打ち出している。そうなれば東京五輪後に神宮球場を取り壊し、新球場を建て直す間、本拠地移転をせざるを得ないヤクルトは、自動的に神宮の杜を巨人に明け渡すことになる。『そんなバカな話があるか』とヤクルトの選手たちは怒りで燃えたぎっているのです。ファンも気持ちは同じ。五輪後の新国立をプロ野球の本拠地球場に使うなら、当然スワローズが本筋。スタンドから鳴り響く東京音頭は、日増しに怒りを帯びてきています」

 下村博文文部科学大臣は、6月29日の「東京五輪・パラリンピック調整会議」で、新国立競技場の総建設費が当初の予定を900億円上回る2520億円になることを明らかにした。ザハ・ハディド氏が設計した、例の1000億円掛かる巨大アーチが主な原因だ。
 しかし、日本全国から聞こえてくる「こんな屋根いらねぇ!」の声を無視し、「いいから早く作れよ」と大号令を発したのは組織委員会会長の森喜朗元首相だった。
 「この新国立は、2019年に日本で開催予定のラグビーワールドカップの開幕戦と決勝戦で使用されることが既に決定している。ラグビー協会会長でもある森氏の圧力に押され、計画変更に踏み切ったというわけです」(前出・デスク)

 6月25日に五輪担当相に就任した遠藤利明元文部科学副大臣は、中央大学ラグビー部のOB。早稲田大学ラグビー部OBの森氏とは、大学こそ違うが親分・子分の関係で、政府の立場から森氏に協力する構図だ。
 とはいえ、不足する資金調達の問題が解決するわけではない。文科省は都に対し、整備費の一部として500億円程度の負担を要請する方針だが、舛添要一都知事は拒否姿勢を崩さない。
 都政担当記者が苦笑する。
 「やっていることが無茶苦茶だからです。新国立競技場は文科省の外郭団体、日本スポーツ振興センター(JSC)が建設・運営を行うのですが、'12年にザハ氏のデザインを採用した際の総工費は1300億円でした。それが翌'13年には一気に3000億円に膨らみ、'14年には規模を縮小して1625億円にする計画が示された。しかし、昨年秋に工事施工予定社になった大成建設と竹中工務店東京本社などから『3000億円でも足りない』との試算が示され、予定していた屋根の取り付けを五輪後に回すなどして2520億円で落ち着いた。どの数字を信じていいのか分からない状況で、舛添知事からすれば、素直に『ハイ、分かりました』とは言えないのでしょうね」

 ほとんどの工事の場合、約3割は請け負った事業者の利益といわれる。今回は約750億円近くになる計算で、そこにはさまざまな“裏の利権”も絡んでくる。
 「都民の税金を預かる知事からすれば、こんなドンブリ勘定の工事のツケを回されるのは真っ平ゴメンという気持ちなのです」(同)

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