デビュー前から将来を嘱望されたが、股関節の不安(1年5カ月休養)に見舞われ、クラシック出走の夢はかなわなかった。そのため、5歳とはいえキャリアは8戦。<5102>と底を見せておらず、無限大の可能性を秘めている。
セールスポイントは、天性のスピードとゲートセンス。全5勝の決まり手は、前走のテレビユー福島賞を含む逃げ切り3勝、残る2勝も好位2、3番手から抜け出す危なげのないレースで、その神髄を見せつけている。
超一流の競馬センスの持ち主だけに、初めての直千競馬も「心配無用だよ」と新畑助手は余裕しゃくしゃくだ。一方、奥平調教師も「一番の目標はスプリンターズSに置いているので、何としても(勝って)賞金を加算したい」と意欲満々。陣営にとって、ここはあくまで通過点に過ぎない。
悲願の重賞制覇に向けて、臨戦過程は寸分の狂いがない。それを証明するように1週前追い切り(9日)は、南ポリトラックで5F68秒9→53秒4→39秒2→12秒5を馬なりでマーク。順調な仕上がりをアピールしている。
新畑助手も好感触をつかんだ様子で「前走は休み明けの分、10キロ増と余裕残しの仕上げだったけど、1度使って確実に良くなっている」と満足そうに笑みを浮かべた。
新天地の奥平厩舎に転厩後は5戦3勝、2着1回と一気に素質を開花。重賞制覇は目前だ。最後に、新畑助手に意気込みを聞いた。
「能力は相当高い。スピードも重賞レベルだし、チャンスは十分ある。課題? 現時点で心配な点は何もないね。普通に走ってくれば結果はついてくると信じてるよ」と揺るぎない自信をのぞかせた。