華々しい中央デビューを飾ったファンタジーS以降、(5)(8)(8)(16)着とさえないが、いずれも自分の競馬をしていないだけ。フェアリーSは前に壁をつくれず折り合いを欠き自滅、チューリップ賞は直線に入るまでずっと内にモタれ通し。桜花賞は出遅れてジ・エンド。馬体も一戦ごとに減り続け、体調自体も万全とはいい難かった。
それがこの中間はどうだ。栗東にきてから初めてとなる440キロを超え、課題だったテンションの高さも見せていない。担当する吉田助手は「これまでは食べたカイバが実になっていなかったが、今は食べた分そのまま実になっている。それに伴って落ち着きも増してきた。ようやく不振を脱したって感じ」と愛馬の充実ぶりにニンマリだ。
最終追い切りの時計(坂路800メートル53秒5)は平凡だったものの、もともとケイコは動かないタイプだけに心配なし。それ以上に終始、落ち着きを払い、スムーズに折り合えたことが大きな収穫。2週連続でまたがった武幸騎手も、「先週より反応が良かった」と好感触だった。
マイル戦で結果が出ていないことから、ベストは1400メートルと、とらえられがちだが、父スエヒロコマンダー×母父ラムタラの血統は距離が延びてこそ。同助手も「血統的には明らかに距離が延びた方がいい。今までもバテず伸びずの競馬だったので、一気の距離延長で変わる可能性はないとはいえない」と長距離適性の高さを感じ取っている。
並ばれてから再度、ひと伸びできる勝負根性はこの中でもトップクラス。前々でしぶとさを生かせる展開になれば、誰もが目を疑いたくなる(?)大ドンデン返しがある。
★★★★★
※★=穴度。MAXは5