例年、桜の女王候補が集結するチューリップ賞に比べ、メンバーが手薄になりがちなこのTR。それを証明するかのように、過去2年連続でダート500万を勝ち上がった馬が連対を果たしている。今年も阪神JFの1、2着馬のみならず重賞ウイナーさえ不在の、GIIとは名ばかりの顔ぶれがそろった。
2度あることは3度ある。ダートで目下2連勝中と勢いのあるスペシャルクインの一発大駆けに期待した。
芝への対応がカギになるが、デビュー2戦は芝で(2)(6)着と差のない競馬。勝ち切ることはできなかったものの、レースでは軽快なスピードを披露していた。
加えて、前走の500万(1着)に騎乗した福永騎手は「時計が速かったし、芝でも走ってくれそう」と一介のダート馬ではないことを示唆。目野調教師も「手先が軽い馬だから、(デビュー前は)ダートはどうかなと思っていたぐらい。芝も十分こなせるよ」と言い切っており、ダート戦同様に能力を発揮できるとみていい。
実力のほどは大楽勝だった前2走で実証済み。とくに前走は「抜け出してから遊んでいたように、まだ余力があった」(福永騎手)にもかかわらず、まったく危なげのない圧勝劇。ダ1200メートルの勝ち時計1分12秒0も、翌日の古馬1000万と同タイムという破格のものだった。
連闘になるが、中間はダメージもなく順調そのもの。折り合いがつくタイプで、父が春の天皇賞馬スペシャルウィークという血統から1F延長は歓迎。時計のかかる今の阪神もピッタリと、大波乱を演出する条件はそろいにそろっている。