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歌蔵のロッケン問答 花田裕之前編

 桂歌蔵師匠によるロッカーとの連載対談「桂歌蔵のロッケン問答」も、今回の相手で最終回。最後を飾るのは、元ルースターズの花田裕之。前後編2回に分けて掲載する。前編では、主に近況とデビュー前について語ってもらった。

 −−僕、今、ライブハウスで落語やったりしてるんですけど。いつも行く先々のライブハウスに花田さんのライブ告知ポスターが貼ってあるんですよ。
 「へえ、ライブハウスで落語? 面白いね。俺、落語好きなんだよ。寄席、見に行ったことないけど。CDとかで聴くの好きだよ。年々好きになるというか」

 −−花田さんは、数年前からソロでライブハウス回ってますよね。
 「うん、バンドもやっとるけどね。弾き語りで1人で回る時は、場所を選ばず演ってるけどね。やっぱり稼がにゃならんから(笑)」

 −−1人で始めたころって緊張しました?
 「いや、そうでもない。意外に向いとるんかな、と思った。バンドに飽きてた時期やったし」

 −−今の花田さんはメーンを何に置いてます?ソロ、バンド?
 「やっぱりソロやね。けどやっぱりバンドがないとつらい。1人だけじゃ寂しい(笑)。仲間と大きい音出したいなと思う時もある。ただバンドだけやっとったころは、いつも何人かで動かなきゃいけない、みたいな煩わしさは感じとったね。前からバンドやりつつもソロでフラッと演ってたこともあったし。その時にソロの楽しさに味をしめてたというのもあったし。だから今、1人でステージに立っても緊張はしないよ」

 −−ルースターズでメーンボーカルになって、フロントに立った時の方が…。
 「うん、そのころの方が緊張したし、勇気もいったね」

 −−アマチュアのころからルースターズでデビューするまで、リードギタリストだったんですよね。
 「そう。ずっとギタリスト。部屋で1人ギター弾いて歌ってたことはあったけど。バンドの中でボーカルになるというのはなかった」

 −−もともとギタリストに憧れていた?
 「いや、そうでもない。ニール・ヤングとか歌ものが好きでしたね」

 −−ルー・リードあたりも?
 「そうそう。そこらへんは好きでしたね」

 −−洋楽から影響を受けた洗練されたセンスを花田さんからは感じてました。
 「うん、けど最初は日本のフォークやったけどね(笑)。アコギ買って(吉田)拓郎とか(井上)陽水とかコピーしてたね。それがあったから違和感なくソロもできたのかもしれない。バンドやり始めたころは、なんかリードギターやれって言われる雰囲気があって。先輩と組んでたことが多かったから。同年代よりも上の人の方が音楽もギターも詳しかったから」

 −−ルースターズのオリジナルメンバーはどうでした?
 「大江(リードボーカル)も池畑(ドラム)も2つ年上だったから先輩やったね」

(つづく)

 昨年12月7日に自主レーベル「花屋レコード」からband HANADAのライブアルバム「Live Rollin'」(写真下)をリリース。

<プロフィール>
はなだ ひろゆき
1960年6月20日生まれ。福岡県北九州市出身。79年、大江慎也(ボーカル&ギター)、井上富雄(ベース)、池畑潤二(ドラム)らと共にTHE ROOSTERS(ザ・ルースターズ)を結成。88年、渋谷公会堂でのライブを最後に解散。近年は、band HANADAやソロでの弾き語りツアー「流れ」など多様な活動を継続している。

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