謎なのは、その新道という名前。相方は「平井“ファラオ”光」だが、このコンビ、2人そろって芸名なのだ。新道の本名は、浜島英治郎。どちらかというと、本名のほうがタレントっぽいが、元来極度のあがり症のため、芸名をつけることで克服できるのでは? という可能性にかけて、改名した。
さらに驚くのは、「おごってくれるおばちゃんがいる」という点だ。あか抜けない容貌に、浪人生のような雰囲気。逆に、それが初老の心をつかむのか、今は、本業が社会保険労務士のおばちゃんピン芸人・滝多津子、56歳に愛でられている。香川県から仕事のたびに上京している滝は、新道におこづかいをあげることも、しばしば。若い芸人を引き連れて食事に行くのが大好きで、お笑いライブに出るたびに数万円の赤字になるという。
あるとき、新道はカニをおごってもらった。しかし、有名店・かに道楽で満足しなかった滝はその後、北海道まで連れていってくれた。「体の関係はなし」と、新道は言うが…。
さらに、「1,000万ぐらいおごってもらっている」おばさんもいるというから、ダブルの驚愕。“1,000万おばちゃん”と滝が同一人物かは不明だが、新道は紛れもないおばさんキラー。食うに困ることはなく、売れなくても、ヒモ生活で生計を立てられそうなもの。だが、東京・お台場の『大江戸温泉物語』の縁日コーナーで、スーパーボールすくいの接客アルバイトをしているという不思議な一面も、併せ持つ。売れっ子になってからも続けており、「芸人ですよね?」と声をかけられることもあったとか。現在も辞めていないかは、不明だが。
怪しいヴェールに包まれながらも、飄々としている新道。こんなタイプが意外と図々しく生き残るのが芸人の世界。今年下半期に向けて、さらにジャンプアップしそうな気配だ。