アジア各地に残る謎に満ちた巨大遺跡を巡り、そこに秘められた絢爛たる古の文化や文明を紐解きながら、アジアならではの叡智を探っていく同番組。第1集・第2集に引き続き、今、世界を驚嘆させている古のアジアの深い知恵が続々と登場する。
第3集の舞台は中国、秦の始皇帝陵と兵馬俑。41年前、秦の始皇帝が眠る墳丘近くの地下から見つかった数千体の兵士像。近くに住む住民が井戸を掘るために土を掘っていた際に偶然発見した「兵馬俑」は20世紀最大の考古学的発見と言われた。しかし、兵馬俑は一体何のために作られ、埋められたのか? それは、様々な説が唱えられながらも大きな謎とされてきた。
ところが今、その謎を解く手がかりが、始皇帝陵周辺から続々と見つかっている。東京世田谷区にも匹敵する広大な始皇帝陵全体を徹底的に調査するプロジェクトにより、軍人の姿の兵馬俑以外にも、役人の「文官俑」や芸人を模した「雑技俑」などさまざまな人を模した等身大の像があちこちに埋められていたという事実が明らかになった。さらには豪華絢爛な宮殿の跡や、壮大な都の城壁の痕跡など、これまで想像もされてこなかった数々の遺跡の詳細が見えてきた。
長らく謎とされてきた、巨大な墓と8000体もの兵馬俑が握る重大な秘密が、こうした出土物や遺跡により明らかにされつつある。番組では、始皇帝による中国統一の秘密を、最新の研究結果から解き明かす!
第4集となる最終回は、日本人の原点とも言われる、縄文文化。実は今、この縄文文化に世界の注目が集まっており、海外の某有名オークションでは縄文土器が驚きの値段で落札されるほど。芸術性の高い土器や神秘的な土偶、数千年の時を経ても色あせぬ漆製品は、世界のどの地域でも見られない、洗練されたものとして、欧米の専門家から高い評価を獲得しているというのだ。さらに、世界を驚かせているのが、その持続性。従来の文明論は農耕を主軸としたものだが、縄文人は、本格的な農耕を行わず狩猟採集を生活の基盤としながら、1万年もの長期にわたって持続可能な社会を作りあげていた。
なぜ、縄文は、独自の繁栄を達成し、1万年も持続できたのか。自然科学の手法を用いた最新の研究成果や、長年の発掘調査から明らかになってきたのは、日本列島の豊かな自然を巧みに活用する、独特の姿だった。番組では縄文土器の謎を探る調査にも密着。時空を超えながら、世界に類のない縄文文化の真実に迫っていく。
内容もさることながら、注目すべき点は素晴らしい映像である。普通のハイビジョンカメラより、高精細、高色域、高コントラストで撮影できる4K・8Kカメラで収録された映像データを使用。高精細カメラの特性を生かした「色域」(色の表現範囲)を広げ、「輝度」(明るさの情報)を高めることにより、映像の表現力が向上。奥行きをより感じられる、臨場感のある映像になっている。一体一体すべて顔が異なるという兵馬俑の表情を鮮明に捉え、三内丸山遺跡の壮大さや空気感まで感じられる、美しく迫力ある映像を堪能できる。
放送は7日(土)・8日(日)の2夜連続で、夜9:00〜9:49、総合テレビ。