あれから10年。マイネルチャールズの白倉厩務員に大きなチャンスが巡ってきた。
10年前に担当したクリールサイクロン(スプリングS、新潟2歳S)は皐月賞7着、ダービー15着といずれも苦い思いを味わった。白倉さんは今の心境を話してくれた。
「厩務員になって今年で43年目。定年まで残り2年を考えると、こんな大きなチャンスはこれが最初で最後でしょう」とこん身の仕上げでダービーを勝ちに行く決意を示した。
1度レースを使うと放牧に出すのがパターンだったが、皐月賞3着後はそのまま自厩舎にとどまって、じっくり調整されてきた。「前走まではレースの10日間前に帰厩していた影響か、神経がピリピリしていて夜つけたカイバが朝まで残っていた。それが、今回はきれいに食べている」と状態の良さをアピールする白倉さん。
勝算について聞くと、「ヨーイドンの瞬発力勝負になったら分が悪いけど、競り合う展開になれば。勝負根性は抜群だからね」と答えが返ってきた。あとは松岡騎手にすべてを託すだけだ。
【最終追いVTR】坂路を1本上がった後にWコースへ。終始、手応えは抜群。ゴール前で軽く仕掛けられると、グッとハミを取り、ラスト1F12秒0を計時した。馬体も大きく見せて充実著しい。