そんなHGとRG(こちらはリアルゲイ)のレイザーラモンが、ここにきて再び注目されている。漫才日本一決定戦『THE MANZAI 2013』で決勝戦に進み、初めて漫才の腕を評価されたからだ。これはマグレかと思いきや、12年と今年の3度も、認定漫才師50組に残っている。実力は本物だと認めざるを得ない。
“やればデキるふたり”という萌芽は、学生時代に培われていた。関西出身のふたりは、高学歴。HGは京都・同志社大学出身で、卒業後は生協コープへ就職。RGも、同じく京都の名門・立命館大学を卒業しており、自動車販売会社で働いていた。
ふたりを結びつけたのは、学生プロレス。学生ながらも高いパフォーマンスは有名で、コンビを結成。早々と2000年に、新人の登竜門『ABCお笑い新人グランプリ』で審査員特別賞を受賞している。
HGはイラストの才能もあり、プロが絶賛するほどのデッサン力。さらに、エンタメプロレス『ハッスル』に出場していたころは、あの天龍源一郎と同じファイトマネーを稼ぐほどの看板選手に昇格した。ところが、粉砕骨折をして長期離脱→無収入→団体が活動停止という憂き目に遭い、一気に転落。だが、元タレントの妻・住谷杏奈が、子ども服のデザインをしたブランドで月収100万以上を稼ぎ、一軒家を建てるまでになった。HGは復帰後、プロレスで育んだ筋肉を生かし、モデル業という新分野を切り開いた。
いっぽうのRGも、『ハッスル』で唯一無二のポジションを確立していたが、団体崩壊後は、さまざまなキャラで模索。そんななか、リズムに乗って「あるある」を歌う芸がスマッシュヒットして、再びテレビに出られるようになった。
勝機到来−−。キャラではなく、しゃべりで。そんな原点に立ち返ったふたりは、真剣にネタと向き合い、単独ライブも開催。仲間からの評価も上がったところで手に入れた、“THE MANZAI”という生命線。決勝進出者を決める今年の本戦サーキットのファイナルは、いよいよ23日。ふたりは、連続出場という奇跡を手中に収めることができるのか?(伊藤由華)