前年同時期と比較すると、1試合平均で、セ・リーグは3万327人で8.0%増、パ・リーグは2万2906人で8.4%増だった。
球団別の前年比伸び率を見ると、出色なのはメジャーから黒田博樹投手が復帰した広島で、チーム成績は最下位(5月1日現在)ながら、41万1061人(14試合)を動員。1試合平均は2万9362人で、なんと32.8%の大幅増。この勢いなら、年間200万人の動員も現実味を帯びてきた。
日本ハムは19.5%増(1試合平均=2万6480人)、オリックスは18.5%増(同=2万3725人)だったが、広島の伸び率とは比較にならず。
同じセ・リーグでは、阪神が8.8%増(同=4万327人)、DeNAが8.8%増(2万3866人)、ヤクルトが5.8%増(同=1万9533人)、中日が4.1%増(同=2万7410人)で、1日現在で首位に立っている巨人は1.9%減(同=4万441人)となっている。
黒田は1日現在、6試合に登板。その内訳は、ホーム3試合、ビジター3試合。ホームでの動員数は、3万1540人(3月29日)、3万734人(4月18日)、3万1589人(同25日)で、いずれも球団の1試合平均動員を上回っている。
ビジターでも、多くの広島ファンが駆け付けて、3万6240人(ナゴヤドーム=同4日)、4万5735人(甲子園=同11日)、2万9819人(神宮=5月1日)を動員。各球団の平均観客動員数を大幅に上回り、神宮のヤクルト戦に至っては平日ながら、1試合平均から1万人も引き上げたのだから驚異的。他球団にとっても、黒田効果はてきめんで、まさに黒田様々だ。
次の登板は同8日の阪神戦(甲子園)あたりが有力とみられるが、まだ東京ドーム、横浜での登板がないだけに、巨人、DeNA両球団の営業部としては、黒田フィーバーが冷めぬうちに早く登板してほしいところだろう。
ところで、肝心の黒田の成績は3勝2敗、防御率3.46(リーグ15位)とまずまず。1日のヤクルト戦では、前半で5失点しながら、4回以降立ち直り、敗戦投手になったものの6回まで投げ抜いた。勝敗は別として、登板した全試合で6回以上を投げており、しっかりゲームをつくっている点はさすがだ。
(落合一郎)