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不沈猫サムは実在したのか? (2)

 第2次世界大戦中、ドイツ海軍の戦艦ビスマルクを攻撃し、撃沈の現場に立ち会っイギリス海軍の駆逐艦コサックは、波間に漂う木箱へしがみついていた「トラジマ猫」を拾い上げた。古来より猫は船乗りのお守り兼ペットとしてありがたがられており、近代的な軍艦にも多くの船乗り猫が乗り組んでいたのである。この「トラジマ猫」もまた、戦艦ビスマルクの船乗り猫で、名前はオスカーだったらしい。

 ともあれ、数奇な偶然から敵艦に拾い上げられたオスカーは、そのまま駆逐艦コサックの船乗り猫となり、再び洋上生活をおくることとなったのである。そして、ビスマルク沈没後の大西洋では潜水艦と輸送船団の戦いが中心となり、駆逐艦コサックも輸送船団の護衛任務に投入されていた。

 ビスマルク撃沈から約5か月後の1941年10月23日、駆逐艦コサックはドイツの潜水艦に雷撃され、艦の前半部に致命的な損傷を受けた。乗員219名中159名もが戦死するほどの大損傷だったが、それでもなんとか沈没だけは免れ、また「トラジマ猫」オスカーも生き延びた。しかし、タグボートで味方の軍港まで曳航する途中、悪天候に見舞われて駆逐艦コサックは「大西洋」に沈没してしまう。

 コサックが沈んだのは10月27日で、ビスマルクの沈没からちょうど5か月目だった。そして、オスカーは再び波間を漂うこととなってしまったのである。

 ところが、オスカーの物語は終わらなかった。今度はイギリス海軍の空母アーク・ロイアルに拾われ、またしても船乗り猫としての艦上生活をおくることとなったのだ。どうやら、その頃からオスカーではなく“Unsinkable Sam”つまり「不沈猫サム」と呼ばれるようになったらしいのだが、名前ばかりか「毛並みまで変わってしまった」らしく、伝えられているイラストは白黒ぶちの「ハチワレ猫」なのだ…。

 駆逐艦コサックの沈没から空母アーク・ロイアルへ乗り移ったあたりから、サムの物語には幾つかの不自然な点が見受けられるようになる。この毛並み問題はそのひとつに過ぎず、後にはより大きな問題も次々と浮かび上がってしまう。

 ともあれ、不沈猫サムとなった奇妙な猫の物語は、さらに続くのである。(続く)

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